35歳定年説から、28歳定年説の時代へ

知り合いのエンジニアが『これまでのエンジニア経験を下敷きに、今やっている開発手法と勉強してきた各種手法がようやく結びついて腹落ちするようになった』とこぼした。

知り合いは、さらに言葉を続け、こんなことを言ったのだった。『それもこれも30代に入ってから覚えたものだ。35歳定年説とは一体なんだろうか』と。

即座に思いついたことは、35歳まで、いや、この人は30歳を超えたときから、それまでエンジニアとして経験してきたことの蓄積と30代に乗ってから勉強して得た形式知がようやくシンクロし始めたのだろう、ということである。

それを言葉として発する前に、自分の身上で考え直す。年齢やタイミングは違えど、先に経験する相応の期間があり、後からPMBOKなどの形式知を導入し、実務の経験と外部から導入した形式知の歯車を噛み合せることである意味、初めて自分のものになったような気がしてならない。

でも今はどうだろう。

自分の頃に比べ、経験する速度は仕事の案件の高速化と繰り返しにより得られる経験知の濃度が上がったのではないだろうか。さらに、各種手法や方法論が自分の頃と比べて、情報を入手しやすく、また、インターネットを介して得やすくなっているのではないだろうか。

それを仮説とすると、35歳定年説のマジックナンバーである35は30か28くらいまで差がてきているのではないか。

つまり、28歳か30歳になれば、経験知と形式知との歯車が揃う時代なのかもしれない。それは、35歳定年説から28歳定年説に年齢が下がったということだ。そう言った環境に囲まれている時代なのだとしたら、自分のような年次のエンジニアは、より不安定な環境に自ら身を置き、ときどきは経験知と形式知の歯車を取り替え、さらに先を歩かなければならないのかもしれない。

 

 

 

生き残る判断 生き残れない行動

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