OKRは導入しない
OKRを読み終わったので所感を。
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結論
OKRは導入しない。いや、OKRは導入できない。組織がMBOでやっているから。理由はそれだけ。
自分が経営する会社なら、OKRを導入しただろう。いや、OKRなんて名前はないが、既にMBOベースでOKR相当のことをやっているのでOKRを導入する必要がない。
OKRの良さ
OKRは、OKRのフォーマットに書き込み、それがいつでも見えるところに掲示しておく。ホワイトボードがあればホワイトボードに、壁があれば紙に書いて張り出しておく。
毎日、いつでも、OKRが視界に入る環境を作る。
これはカンバンをホワイトボードでやるのと同じだ。チームは、全員が同じ物を見ていなければならない。
だから見えるところに貼っておくのではないか。
OKRの良さは、チームの目標を常時貼っておくことである。
達成されないチームの目標も個人の目標は、その多くがexcelかwordかpowerpointのフォーマットに目標を書いた後、サーバやPCのストレージの奥底に収められている。
次に見るのは早くて半年後、最悪は1年後の期末である。
そんな運用で目標が達成できるわけがない。それに気づいたから、1on1をやってメンバにリマインドしているのではないか。
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でも、毎日目標を自然とメンバの視界に入るようにできるのなら、チームの目標の達成のために活動することをお互いにフォローしあえるのなら、その時間もチームの目標達成に必要な活動に使えるではないか。
改めて何か別の活動をする必要がいらないのがOKRの良さなのだ。
MBOで十分やれる
それでもOKRには移行しない。組織がMBOを採用している(OKRを人事部門が知らないのかもしれない可能性がとても高い)ためだ。
ただ、組織がMBOを採用しているからOKRを採用しない訳ではない。
OKRではないが、OKRのようなものを実際やっているから、組織のMBOと自チームでOKRを採用するような無駄な二重管理をしないだけだ。
では、どうしたらMBOでOKRができているかに興味を持つだろう。
OKRなMBO
年初にチームのMBOを作る。これがなければメンバのMBOに展開できない。チームのMBOに最初に書くことは、チームの存在理由を書くことにしている。
チームの存在理由は、チームが組織上に編成されたときに人事報に書かれたチームを創設したビジネス背景である。
それが存在理由。
それをチームのMBOに書く。
そしてメンバにチームのMBOを説明したときにホワイトボードに書き込んだ様々なチームのディスカッションのスクショを撮り、チームのスケジュールに貼っておく。
このスケジュールは少なくとも週1回はチーム全員が見る。
1対1ではないが、チームのMBOがメンバの心にリマインドがかかる仕組みを作ってあるのだ。
チームのスケジュールはチームのMBOから今週やること、次回やること、その先々でやることを予定として入れておく。その予定を毎週見直し、チームとしてやらなければならないことをやるのである。
そうした繰り返しは、メンバの意思決定に反映される。メンバの行動に結果がついてくる。
だから、自分のチームにはOKRは要らない。MBOで十分なのである。