露出が多いエンジニアが外に出て行くわけ

露出といっても肌色成分の話ではない。それを期待していた読者には期待はずれかもしれない。ここで指す露出とは、組織内から組織の外へ、外部のカンファレンスなどにちょこちょこ見かけるエンジニアが講演などに出てくる事象を指す。

そうしたところへ出られた経験をお持ちのエンジニアと会食をする機会があり、色々と相談を受けた話の中で、外に出て行くエンジニアはなぜ外に行くのかという話になった。

カンファレンスで所属する組織名を出す場合、はじめに考えられるのはスポンサ枠である。次には、カンファレンスのテーマに即したその時代のキーパーソンに講演を依頼するパターンである。

前者は、組織の代表として露出することになる。つまり、お仕事。であるから、発表される内容は実質PRになる。スポンサ枠であるからその見返りのようなものだし、そうしたことで参加者に認知力をあげたいという目的を狙う。後者は、主催者側からオファーになるので、講演者は属する組織から出る場合もあるし、個人名出ることもある。

この2つのパターン以外では、カンファレンス自体が公募枠を作り、発表したいエンジニアが公募で申し込むパターンである。発表時の所属を明記するかどうかは発表する内容が業務に関することかプラクティスになるかで分かれるだろう。○○社の誰それとなるかただの誰それにするかに違いというよりは組織内の規程に抵触しない発表内容かどうかの判断によるだろう。

上述のパターンがある(それ以外にあるかもしれない)がいずれにしろ、エンジニアが自分から外に出て行くとき、どうして自分から露出するか、その動機について語ってくれた。

上述の1つ目のパターンは単純な話で、業務の一貫で行われるだけであるから動機も何もない。どちらかといえば、慣れるまでは望まない仕事になることが多く、まさに仕方がない、仕事になるようだ。これが慣れると率先して発表したがるので不思議なものである。

それよりは2番目の後者の方にエンジニアの闇なマインドを感じてしまう。

どういうことかというと、組織内で実現したいことが認めらないことが続くと所属する組織に対する期待が薄れ、その反動で外部で活動する方に走るケースがある。こういった場合、もともと外部のカンファレンスで発表枠を貰えるだけの力量はあるので、講演をしていると次第に別の組織やヘッドハンティングからスカウトや口コミの引き抜きのなかでそのエンジニアがやりたいことができるとなると躊躇することもなく移ってしまう。

実際には、属する組織から出て行くかどうかについては様々な条件を考えた上で映ると話されていたが、やはり、属する組織でやりたいことというよりは、対人関係(特に上司)や評価面での小さなフリクションが実は積年の積み重ねになっていて、雪崩れるきっかけが外部に露出なのだという。

その方の話を聴きながら、実際に移るかどうかは別にして、外界を知っておくことは属する組織の当たり前や無意識に組織に対するフリクションを溜めていたことを知るきっかけになるから、やはり、月160時間全部を組織内で過ごすことはエンジニアが自分の置かれている環境を知る機会をみすみす悪化させているのではないかという話になった。

 

 

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