弾だしの時間を取らない仕事下手なエンジニアが現場を混乱させる

過日のマネージャミーティングの場で、ひと通りの議題が終わった後、業務をうまく撮り回せていなくて現場が混乱しているような主旨の話が出てきた。

端的に言えば段取りと業務としての捉え方が拙いというだけの話である。

業務としての捉え方とは、業務のトランザクションの発生から完了までの全てを(概念的でもフローでも良い)把握するという意味合いである。例えば、あなたの役割は経理だとしても、経理で処理する経費の発生から決算までどのようなフローで、前工程はどこの部門で、後工程はあっちの部門で、何をインプットとして受け取り、何をアウトプットとして渡すかを知っておくと、部分最適化するばかりではなく、全体最適化の視点を持つことができる、ということに繋がる。

全体感を持つとバッチ処理が良いのか、バッチ処理のサイクルはどのくらいが良いのか、バッチより1個流しが良いのか、など業務としての流量も視界に入ってくる(かもしれない)。

もう1つの段取りであるが、こちらも業務として捉えるという観点に立てば、割と理解しやすい面もある。

段取りが必要になるのは、受け取るまでにしておくことがあるとか、受け渡すために仕込みが必要となるとか、いずれも作業をするためにアイテムを揃える時間を取らなければ、自分の工程か後工程にアイドルを作ってしまい、待っている間のリソースが勿体無い(非稼動になるので)。

特に、後工程に渡すのを五月雨にやられると結局、全部揃わないと手をつけられないから待たされる(それが開始の条件なら)ことになる。こうしたことがあらかじめわかっていれば、後工程は、全部揃うまで放置して他のことができるが、そういった情報もなければ、ただ待つのみにとなってしまう。

そういった風景をみて、憂いている、ということなのだろう。自分なら、ユーザストーリーマッピングでも書かせて、業務全体とプロセスの開始条件でも書き加えさせればいいじゃん、と思うが、そういった手段はどうやら知らないらしい。

ここまで書いて閃いたことがあるが話がずれるので書かない。

自分のメンバがそういったことをやりそうな気配や実際混乱させるプランを立てさせないように、どう進めるかを具体的に教えてもらう。あくまでも、主体はメンバなので教えてもらう。

そこで聞くのは、次工程が作業を始められる条件と終わる条件を教えてもらう。何が揃うと始められるか。これはReadyであるかと聞いているだけであるし、後工程は何を持って完了として良いかというのは、完了条件を教えてもらっているだけだ。

これは後工程への段取りの話で、ぐるりと回って自工程も同じなのである。そうした自工程と次工程をスムーズにするために手を回しておくのが段取り、だと思う。

これを『弾だし』なんて呼ぶこともある。弾を出さないと仕事をやっつけられないからだろう。

こうした球出しの時間を取らずに、自工程の作業を始めてみて、初めて準備の時間を全く考慮していないことに気づくのであるが、業務プロセスの概念がないので現場は毎回自爆するのである。

 

 

英単語の語源図鑑

英単語の語源図鑑