アウトプットを否定されない仕事の見せ方

ある業務のタスクと言っても大きいのでプロジェクトのようなものだが、それが複数あり、参画する前の一年前から活動をしてたようではあるが、一年前はだいぶ混乱しながらやってきたらしい。そういった経験から学習して自分がそこに参画するようになったらしいので、組織としてはまだ見込みがあるだろう。

そのプロジェクトから派生したプロジェクトがあり、それを担当することになったのであるが、元々のプロジェクトは一年前に混乱したときの主要メンバが継続して担当するようだ。派生プロジェクトであるから過去一年分の経緯を知る必要があり、その主要メンバに対して過去の資料やプロシージャを尋ねてみると、然もありなんとしか言いようがない。起こるべくして起きた、と。

その主要メンバは引き続きご自分の担当を継続されるのだが、ステークホルダに監査的な役割の方がいて、どうも2人の関係の雰囲気が良くない。その監査役的な方からコンタクトがあり、話を伺ってみると、作業品質は良くない、積み上げる仕事の根幹を最後になってぐらつかせる、などなど、聞いても嬉しくない情報の提供をいただく。

主要メンバの人は、自分で色々と判断されて動いているようだが、それが直接のコミュニケーションを取るので突然、判明してその収集に困るのだという。暗に、作業も資料も否定している。

それは大変ですね、と同意しつつ、自分は自分の仕事を進める。派生プロジェクトであるから、その監査役的な方にも入ってもらわないといけない。ということで、こんな感じで仕事を見せているのだが、なにぶん、変わったことやかっこいい仕事の仕方はできないのでベタに進め資料を作る。

脱線すると、資料を作り始めるとテーマのディテールがわかり始めて色々と細かく書き始めてしまう。そうすると資料的に詳細なテーマのところばかりボリュームが出て書き終えたい期日に書ききれなくなってしまう。この派生プロジェクトでも、そうなりかけて、これじゃいけないと踏みとどまり、全体のバランスを取りつつ、イメージをアップして、ステークホルダにいいんじゃないかと言わせる資料作りをする。

話を戻して、作ったアウトプットを否定されると時間が勿体無いし、そんな思い(否定する元々の考え方)を持っていたのなら最初から教えてくれ、と言いたくなってもおかしくない。というよりは、そう思って当然である。でも、モヤっとしか考えていなくてこちらのブツを見て初めてモヤっとした考えをどう思っていたかを依頼者自身が答え合わせするようなものであることもわかっているから、先にイメージを見せるように動くのがエコシステムでもある。

  • 資料の目的・前提の到達レベルを示す
  • 資料作り、以降の展開、収集のシナリオを仮置きする
  • 目次を作る
  • 標題の主テーマをざっくり書く
  • 扱う範囲を図表で線引きする
  • プロジェクト関係者を明確にする

ここで一旦、共同作業者や監査役的な人やオーナと順次すり合わせ、方向性、ズレ度合い、推進スピードを調整する。

ここでのすり合わせをすることで相手は安心感を持てるようになり、作業に介入しなくなる(丸投げを決めるともいう)。

  • 目次を見直す
  • 作業の大項目レベルを具体化して記載する
  • 到達レベル以上はいくら書きたくても書かない
  • 目次の構成(順番)を入れ替える
  • 扱う範囲がMECEになっているかみる

ここまで進んだら、作業に関わる関係者に概要だ、といって前だし(根回しともいう)する。

アジャイル的なタスクの進め方と同じで、小さなチケットにしてアウトプットを使って(評価して)もらう。

業務は、アジャイル的な進め方にとても親和性がある。それをアジャイルとは一切出す必要も必然性もないから言わないが、そう言った手法を知っているだけで仕事の選択肢を多く持てるので楽に進められる。

何より、手戻りもリジェクトもされないのでやっていて面白くなっていく。

 

 

 

「ない仕事」の作り方 (文春文庫)

「ない仕事」の作り方 (文春文庫)