問題を読み、あなたの判断を答えなさい。

「あなたはたまたまプロジェクトの会議資料を準備するためにオフィスにいたところを担当役員に呼び止められ、否応もなく会議室に連れ込まれた。役員の話では、どうやら大規模プロジェクトのあるサブシステムでプロジェクトマネージャを交代しなければならない事情があり、代わりを探しているらしい。大規模プロジェクトは、金融の分野でそのあたりの土地勘を持っている、つまり過去に金融の大規模を経験しているプロマネは出払っていないという。そのシステムは上場企業の基幹的なシステムでユーザ数も桁外れらしいとは噂では聞いていたが担当しているプロジェクトもありそんなプロジェクトもあるんだ、くらいの感心しか持っていなかった。そのプロジェクトは現行システムがありリプレース案件のため、システム移行には相当苦労することが予想される。顧客は官僚的な文化でベンダをコントロールしきれないとキャリアに傷がつくと過去のプロジェクトで実しやかにささやかれていたその顧客と同じ部門だった。プロジェクトの体制は、統括プロジェクトマネージャはリーダシップはあるが、全体的に進捗が遅れ気味であることと要件確認が思うように進度が上がらずかなり焦燥し始めているらしい。役員から相談されているサブシステムのプロジェジェクトリーダが事情がありプロジェクトから退場させ、金融セクターの経験を持つプロマネに交代させたい。チームのメンバは20名ほどいるがリーダ格のエンジニアが前任のプロジェクトを抱えており兼務であるようだ。他のメンバも委託先以外、つまり再委託と再々委託と大規模プロジェクトではよく見かける多重請負構造になっているようで詳しくはわからないという。ただ、サブコン、一次受けのパートナー企業が一括して請け負っているのでそこは問題がないと役員は言っている。プロジェクトは始まってから3ヶ月の要件定義のフェーズで、6週間経ったところらしい。プロジェクトはその後、設計フェーズに入るが、検証環境を設計フェーズの完了迄に一旦リリースしなければならなく、要件定義をしながら検証環境の設計やHWやSWの手配、回線の調達など日々残業が続いていると役員はそこまで話した後、今夜飲みに行こうという。」

 

あなたは金融セクターでの大規模プロジェクトの経験があり、プロマネの経験も十分持っている。これまでこの役員や他の上司に頼まれ、炎上プロジェクトの立て直しをしてきた。ただ、現在担当のプロジェクトもありそれはそれで楽しいのでそれを他のPMへ渡すのも惜しい気がする。

あなたの判断は、はてブのコメント欄にどうぞ。

 

 

 

 

 

コードは下から駆け登り、プロマネは上から降りていく

「今日のお昼は何食べましょうね」
「もうちょっと待ってて欲しいんだけど…」
「それ、今片付けないと午後に困るんですか」
「キリが悪いだけ」
「じゃあ、行きましょうよ。出遅れると混んじゃいますよ」
「でもなぁ」
「ほら、今こうしてお話ししているのだってやめちゃっているのと同じですよ」
「それもそうか。じゃあ行こうか」
「素直でいいと思いますよ」
「それで今日は」
「そうですね、久しぶりにベトナム料理とかどうですか」
「いいんじゃないの」

 

「ところで、配属された新人ちゃんがなかなか仕事を覚えなくて。メンターとしてはどうしたものかと悩んで悩んで」
「大変だ、先輩になると。まあキミが人に教える日が来るとは思いもしなかったけどさ」
「それひどくないですか、可愛い後輩が悩みを打ち明けているのに。第一先輩だってまだ私のメンターなんですよ」
「そうだよなぁ…配属されたときは期待していたんだけどなぁ」
「ちょ、それどういうことですか。今だって十分頑張っているじゃないですか」
「いやいや、こんなに元気が溢れまくっているとは思わなかったんだけだよ。こっちの方がHPを吸い取られているみたいだ」
「先輩のはいいです。イケメンに限ります」
「ははは、ならいいや。それで」
「新人ちゃんなので、ほら、テストとかコード書くところから仕事を振るじゃないですか。そこそここなしてくれるんです。いい娘です。私みたいに。ただ…」
「今なんか変なの混じってたけど気のせいかな。それでただ」
「プロジェクトの全体の進め方とかありますよね、工程とかプロセスとか。そういった仕組みづくりを理解するのが苦手みたいなんです。コード書いているときと反応もアウトプットも違うんですよ」
「まだ新人なんだろう。3年くらいは目を瞑ってあげないと」
「そうなんですが3年経ったときにしまった、となっては遅いですし。メンターですからエンジニアとして困らないようにしてあげたいんです。お姉ちゃんとして」
「そうか、3年後に困らないようにか…先まで考えられるようになった姿を見ると涙腺が緩むな。間違っていなかったんだな、俺の教え方は…よかった。ご飯も美味しいし、今日は帰るか」
「ダメすよ、どさくさに紛れて帰ろうとしちゃ。私の問題が解決していないんですから」
「そうだなぁー…その娘、作るものが見えている、いや、定義できているものを作るのは得意なんじゃないかな」
「作るものが見えているって、あ、アウトプットとか成果物が決まっているということですね。どうかな…そうかな…そうかも、そうですね。ちゃんと作ってくれますよ。だからいい娘なんですよ」
「それってさ、学校での学んできた学習方法なんだよなぁ」
「学校での学んできた学び方って」
「問題があってさ、答えに辿りつための式があってさ、で、正解がある。同じような仕事なら勉強できる子はその仕事はできるんだよ。問題はタスクでさ、答えは成果物でさ、作る手順が決まっていると、ほら、同じだろう」
「そういうことですか。へー面白いですね」
「だけどさ、プロジェクトのプロセスはそういう感じじゃないじゃん。コード書く技術知ってても役に立たない。どっちかといえば、コード書くのは小さな仕事を積み上げていくからその部品だけは知ることができるけどさ、部品を全部知らないからどう組み上げていけばいいか知らないし、組み上がったらどうなるかも知らないじゃないかな」
「えぇ、でも全体のアーキテクチャとか説明していますけど」
「多分、理解できていないよ。だって、やったことしか知識はないからさ、他の要素を聞いても想像できないんだよ。そこにプロジェクト全体みたいな世界観を持ってこられてもプロジェクト全体の仕組みがわからないじゃん。それであれこれ言われてもって」
「わかったような…わからないような」
「プロジェクトマネジメント系はさ、全体の流れを弟子のように連れ回して、プロジェクトマネジメントの中の仕事をになう存在理由を作ってあげないと。枠組みとそれを構成するマネジメントのストラクチャの中から繋がるものを一つひとつ経験させた方がいいんだよ。思い出してごらん。どうやってプロマネ覚えた」
「確かに工程の枠組みを教えてもらって、工程の中のプロセスとかそれを支える管理ビューとか切り出してもらったかも」
「だろう、それも小さなプロジェクトから始めたはずだよ。キミのレベルでもどうにか見渡せられるようにね」
「そうなんですね…コードを書くことを覚えるようなボトムアップなアプローチじゃなくて、トップダウン的な仕事の振り方をしないといけないんだ」
「そういうことさ。さあ、コンデンス入りのコーヒー飲んで仕事しようか」
「ありがとうございました」
「じゃあ何か手伝ってよ」
「そうですね、クリぼっちなら一緒にご飯食べてあげてもいいですよ」
「(ぶっ)あ…」
「あー何やっているんですか、はい、ハンカチ。しょうがない先輩ですね、全く」

 

 

Amazon Echo Dot (Newモデル)、ブラック

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XP、モブプロを導入したいリーダが上層部を説得するための教育心理学

人は自分なりの考え方、知識を持っているものです。子どもの頃に家庭の中でして良いこと、してはいけないこと、どちらかと言えばしてはいけないことばかりを教え込まれている(家庭により褒めるおうちもあるけれど)ので、そうした家庭の中での位置を確保するためにどうすればいいかを考え、存在を認められるための知識が積み上げていきます。こうした経験は後進的な性格の核となり、その人の行動を強く制限することになります。

その後進学とともに社会が広がり、初めて経験することは過去に積み上げてきた似たような経験を引っ張り出して繰り返し自分で経験から共通項を整理し、新たな経験に対処できるようになっていきます。それが良くも悪くも様々なことを知っている状態を増やしていくのですが、知っていることをわかっている、つまり仕組みを理解しているかどうかと言えば、多くのことについて知っているだけでわかっている状態にはなっていないのです。例えばウォーターフォールを説明してください、と問いかけたとき、説明できるエンジニアはそう多くはないのです。

知っていることとわかっていることは大きな差があります。

こうしたこと、つまり、知っていることが実はわかってないことであることは、その人が知っていることに対してどう知っているかの説明はいくらでも進んでしてくれるのですが、知らないことを進んで教えてくれることは少ないのです。

自分が何を知っているかを知ろうとしたり、どのように知識を得ているかを知ることは学習方法の習得の観点で大事なポイントですが、それを形式化したりすることは実は難しいということに由来しているためです。

「自分が何を知っているか」の自分を1人ではなく、「仲間で」に置き換えると状況は変わってきます。仲間で同じ課題を解決するためには、その課題を解決方法について自分の知っていることなのか、わかっていることなのかを伝えようとするようになります。こうした行為を相互に問題という触媒を介して理解をしようとすることで実は自分の知っていること、わかっていることに自分自身が触れるという1人では難しい経験を得ることができるのです。

 

さて、これは新人教育での指導役のエンジニアとのペアでの作業や、メンター、最近だとモブプログラミングが一部で取り上げられているのですが、こうした1人でやるより仲間同士でやる方が生産性が高いとかスキルの育成が早いとかの裏側にあるものなのではないかと思うのです。

ある意味、理論的な裏付け、というか。こうしたことも経験的に知っているよりはわかっている状態で手法を取り入れると効果測定がとてもしやすく、組織的な展開をする際の上層部を説得して同意を得るには効果的だと思うのですよ。

 

 

教育心理学概論 (放送大学教材)

教育心理学概論 (放送大学教材)

 

 

エンジニアが先延ばしする7つの理由

仕事で先延ばしを「しない」仕事と先延ばしを「する」仕事を決めているのはワタシ自身で、しないとするの間はワタシ自身が決めていたりするんですね。内心、先延ばししているのは誰も文句を言わないとか、なさそうでありそうな納期になんとかできるだろうという見切っているからかもしれませんが。

じゃあ、エンジニア(ワタシの場合はメンバとか)が仕事を先延ばしするのはどうしてなんだろうねと思うといくつかあげられるかなーと。

意義を感じられないし…

これが一番多いいんじゃないかな。組織の年1のelearning研修とかね。年間にやってねと依頼がある研修を数えるとほぼ毎月何かあるんですよ。コンプラとかセキュリティとか○○法とか。

業務の間に差し込まれるわけです。一方的に納期を決められて。

いや、社会人の素養として知識のアップデートとしては必要なことは本人たちもわかっているんですけどね。

そんな状態なので、受講しても何も残らないんですよ。

楽しくないから…

 それをやることが楽しくないというのは大きな心理的マイナス要因ですね。やる前から楽しくない=作業として大変だ、面倒だ、という心理が先に働いてしまうと手をつける気にならないようです。

ワタシはそう言った方から片付けないと後につらみしか残らないので先に片付けようと思う方です。

そうですね、ショートケーキのイチゴを先に食べるか後に食べるか…じゃない、スポンジを先に食べるか後に食べるかでしょうね。気が進まないことなので。

知識になっていないし…

 経験知でもさらに進んで形式知でもいいのですが、学んだこと、経験したことを自分の中で汎化できていないととっつきにくいというのはあります。

わからなくもない、という感じです。

でも、お仕事だったら「それでもやるんだよ」なんだけれど。

気が散って集中できないし…

そういうときってあるよね。では済まないこともあるんですよねぇ。お仕事なので。

何に引っかかっているのか自分自身でもわからないときがあるんですよ。

どうせ集中できないんだから、建物の外のcafeにでも行って、コーヒー飲んでスイーツ食べてからもう一度どうしようか考えればいいんですよ。

自分のね、ルーチンに戻す感じですね。

難しいと感じたから…

稀にアサインミス、かもしれませんが多くの場合は、周りに聞いて仕事を組み立てることを学びなさいという課題かもしれないのですよねぇ。

知見者を探す、関連書籍を探す、ゴール設定をし直す、助言を貰う。

こうしたことを自分から動ければ出来はどうでもそれが課題ならまずまずです。テストではないので。

曖昧だからどうすれば…

 これはゴールせってし直しなさい、で終わる話では。

つまらなく感じてる…

 なんども経験しているのですっかり作業になってしまっているとか、すっかり学び取ったつもりなので何も学べなさそう、とか。

 

あ、自分のあのタスクだわ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プログラムを"Hello world"から学ぶなら最初のアウトプットも小さく

TLで技術的な裏付けもないのに全部を作ってから動かそうとしている人がやっぱり動かなくて聞きにきたときにどう答えるか、という問いがあったんですね。そのTLの主は自分たちが当たり前のようにやっていることは様々な積み重ねの上にあるのでどこから話したら良いのかと戸惑っていたのですが。

こういったシチュエーションは、新人エンジニアを育成するときとか、異動で業務ドメインが変わったエンジニアで起こりやすい事象だと思うのですけれど。と、言うことはいつ自分の身の回りで尋ねられるかもしれないと言うことなんですよ。

チームを作ってそのチームがメンバを入れ替えながらも業務を継続していると普段から当たり前のように、何も意識することなくできてしまうことが増えていくことになります。ドキュメントや手順などで可視化されるものもあれば、コンテキストの中に押し込まれて高いコミュニケーションコストの中で行われるのもあります。

技術的なものはツールを介するので共通の理解を得やすいんですけれど。ツールをチームではどう使うか、それはなぜか、的なことは可視化できないんですよ。そういうのが厄介なんです。

冒頭の質問はそう言った可視化できないもので出来上がっているのでそれをそうした背景を知らない人に伝えることはとても難度が高いです。

ぶっちゃけ伝えようなんてできません。

でも、新しくチームに参画したメンバにはそうしたチームの家風として古参メンバに染み付いてしまっている文化をインストールしなければ仕事でのコミュニケーションのオーバーヘッドだけが増えて、最悪はそのメンバいらない、となってしまいます。

それは避けたいので、何かしなければならないのですが。

結局、見えない文化をインストールするにしても体系だった形式知しかインストールすることはできません。だって受け手は見えるものしか認識できないんですから。

プログラム、言語を学ぶ最初は"Hello world"から始めることが多いですよね。プログラムの世界へようこそ、と。

チームの文化をインストールするのも"Hello world"から始めれば良いのではないか、と。いや、"Welcome to our team"かも。

どうやってチームが物作りをしているかを知りたいということはそのチームに入る必要性があるから、でしょうし。

だからこそ、小さくアウトプットをできるために小さくインストールをした方がいいのだと思うのです。小さくインストールすれば小さくしかアウトプットできませんが、それでも小さな貢献ができるのです。それで仲間としての存在意義を共有できると思うのですが。

 

 

さて、新年はそれをやらないといけない…。

 

 

最近の失敗

ざっくり言えば、ここ最近の自分の仕事ぶりの出来が「ちょっと足らない」ですね、アウトプットが。

ケース1

時期的に来年向けの資料を一旦巻き取ったんですよ。去年もたたき台作りはやったので。他に拾う人もなかったし。ただ、受けるときにちょいとリソース的にムズイなとよぎったんですね。これは他を止めないとなぁ、と。

頭を過ぎる系の電波を受診したらだいたいそれおきますね。

まあ、トッププライオリティでやって作ったわけです。もちろん、ページ構成などは先に決めたものを関係者に見せて、合意の上で。

作って見せたら批評するわけです。あれこれ違うって。いやはや、慣れないものは大コメント祭りになりますね。

良いんだけど、薄いと。

あ、はい的な感じですね。じゃあ、どう直すか、と。持っているイメージが違うと言われたので、なら違わない=作って欲しい情報をちょうだいな、と。

他に並行して3つ4つ抱えていたので、まじで専念するかどうかを選択させたら、巻き取られました。

それ自体はそうですかレベルですが、勉強になったのはその後です。

巻き取られた資料を見ると、ああ、そういうことか、と。

ただ、さらに上の場でプレレビューしたら中身総取っ替えになりましたけど、そうなっただけ議論が出来たといところに勉強になったポイントがあるわけです。

総取っ替えになった資料もパーツを見るとだいたい揃えた情報が使われていたので見せ方、捉え方が課題だなと。

 

自分のためにまとめると…

  • 少し、オーナーの立場での目線が足らなかったよ
  • 無意識に固定観念にこだわっていたよ
  • 資料的に対比させたらよかったよ
  • 2歩ぐらい引いて事業的な俯瞰を求められてたよ 

かな。

ケース2

こっちは、会議の運営的なもの。リソースが割けない中でイベント的な会議のファシリテーションを任されたのは良かったのだけれど、内心どうにでもなるだろうとケース1にリソースを持って行っていたのでほぼ準備なし的な感じで望んだらダメダメだった(自己評価)と。

後出しジャンケンを自分にするなら、ゴール設定をしておいて(言わないけれど)議論を誘導すれば良かったね、ということ。それが曖昧で終わったので依頼者から見たらストレスがあったみたい。

なんとも。

そういう感じのコメントをもらったときにはムカッとするよりは、ファシリテーションはいろいろやり方があるけど選択ミスったんだなという思いの方ですね。

一過言ある出席者に要は忖度し過ぎたのかもしれないです。というか、準備不足で流したんですよ。それがいけなかった。

 

まとめ。

  • ファシリテーションする会議の目的を詰めておこうね
  • ツール・手法を選ぼうね
  • 全体のシナリオを作って強引にひっぱた方が良いみたいだよ

 かな。

かっこ悪いことができたので勉強になった。