メンバがやり方を知らないなら、何をやってもカイゼンの成果が生まれる


今のプロジェクトが忙しいと言っても、週末は片方休めるようになったし徹夜をすることは壊滅できたので一見収束に向かっているので何を浴したかと、それでも心配ネタは欠かす毎が出来ないので其れを整理してみる。



なぜ忙しかったのか
入ったときの情況はこんなだった。

  • ロールが曖昧。
  • WBSの実績をトレースしない。
  • 作業の手順を子細に考えない。


ロールは成果物を作るための役割分担なのですよ
それまでの役割分担がわかる資料はありました。一応、見た目は間違っていません。ヒラエルキーになって、リーダを明記しているから。深く考えない発注元なら騙されるレベルです。


でも、ことが進んでいるなら、その資料の体制なんて絵に描いた餅でしかないことはすぐにわかります。


なぜ、騙されている話になるのか。それは、役割に応じた結果である成果物がないからです。今、どの局面まで進んでいて、その「成果物はどれ」と聞けばわかることです。勿論、現物を確認して裏を取ります。


ロールに、役割に応じて、役割の責務を積み重ねて結果を出すために働いているのに成果物が無い状態は正常でしょうか。その状態から決められたタイムボックスの中で、結果を出すということが守られていないという状況が読み取れるのです。


WBSはトレースして初めて意味があるのですよ
SEリーダが詳細なWBSを作っていたらしいのですが、全員に配ったのは1度きりだそうです。


はい?なんですかそれ。で、周りはそれを何とも思わなかったのか、其れとも言えないほどの圧制だったのか。SEリーダを見てもそんなキャラではありませんでした。


直近のやること、先のやることが見えていなければ、メンバは心づもりをして計画的に、効率的に何てできやしないです。計画が無ければ、その日の仕事をやるだけのパートタイマーのアルバイトでしかありません。そんな仕事の渡し方で責任もって仕事をしなさいって言う方が間違っています。


パートタイマーな仕事、予定を共有され無い仕事がトレースされることはありません。だって仕事を渡す方が押さえていないのだから。これできちんと実績を押さえているなら、SEリーダは自分用に作業計画を持っているか頭の中にすべてが収まってワークをコントロールできている人です。でも現実はそんな人ではありませんでした。


作業の手順は子細に考えるから現場で柔軟な対応が取れるのですよ
システムを構築するのであれば、パラメータを設計してからどういった順番で設定するとか、手順をある塊ごとに検討するものだと思っていました。でも、前日まで手順書を作る気配がありませんでした。

「現地のファシリティの環境知っているの?」
「現地に設定るためのツールは何を持っていくの?」
「どんな作業をするの?」
「はじめの日はどこまでやればいいの?」
「一つの塊の作業はどのくらいの時間を見積もっているの?」


まさか、こんなことを言わないといけないのだと思いもしませんでした。先の情況を鑑みれば、推論できる、ある程度は「予見できただろう?」って言われると「(そうなんだけどさぁ。)」って思わずにいられません。


でも、新人のエンジニアじゃないのですから…。


知っていると言っても成熟度が違えば知らないのと同じだった
ベテラン、中堅、若手が適当にいるメンバでチームが構成されていて、それでこの状態なのは、ワタシの常識であるプロジェクトマネジメントの前の“仕事の基本のキ”を知らないから出来ないのではないか、と「(そこからなの?)」って思いに至ったときのショックは計り知れないです。


それは、同じプロジェクトいう同じ技術を開発するというドメインにおいてコミュニケーションが成立しないということに他ならないからです。プロジェクトマネジメントのプロトコルの名前は合っているように見えて、成熟度と言うバージョンがあっていないことが分かったのですから。本来、それはチーミングをするときに選別されているべきメンバ選定の条件ではないかと思うのです。


対策と結果
少しだけ様子を見ました。状況を把握しました。何をしたか。成果の出ないメンバはそれがその人が一番適用する技術を持っているとしてもご退場願いました。他の普通のメンバにとって良い影響がないからです。ましてや成果の出ないメンバを置くことはプロジェクトマネジメントからみて論外でもあるからです。


結果、技術的な不安は別の方策を奔走して担保し、少しずつでも成果を出す作業に方針をピボットさせることにしました。退場のあとの体制には口をだし、期待するロールを明示的にお伝えし、果たさなければ同じ道を歩むことになることもお話ししました。


作業をチケットシステムで全員に視覚化して、日単位に成果を確認することにしました。それをできなければ、「日報を書かせるよ(はーと)。」と面倒になることを新しいSEリーダにお伝えして、「それはいや。」と意思表示があったので、ご協力いただくことになりました。


手順は、一度作成することを覚えたらそのメリットを享受したようです。得られるものがあればそれは次から率先してやるようです。
何をやっても成果の出るプロジェクトです。