プロジェクトマネジメントはウォーターフォールもアジャイルも統合される


昨日、年末だからNHK-FM「○○三昧やってるかもなー。」って思って車で買い物に出かけるときに聴いている田村ゆかりんのCDをCDプレーヤーから取り出してラジオに切り替わったとき、やっぱり、今日は一日“劇団四季”三昧をやってて、「三昧やってた!」と思いつつ運転していたときのラジオからインタビューからこんなセリフがふと聞こえてきたんだね。

「台本が8割なんですよ。」


なんて。


「おぉ、同じだよ。」と思ったんですよ。何が同じかって思ったのかって言えば、舞台では役者や監督や裏方の人が具体的にイメージできるものが台本、なんでしょう。じゃあプロジェクトでは?プロジェクトマネージャやエンジニアがプロジェクトをどうキャリーしようと思っているかを同じレベルで共有するには何があるかって言えばアレしかないですよねぇ。


いや、同じプロジェクトでもウォーターフォールと「一緒じゃないんじゃないの?」って思うかもしれないですよね。アジャイル。でもね、特に今年の年初のScrum Gathering Tokyo 2013にはアジャイルのリーダたちは組織論にその話題を移しているし、ウォーターフォールをdisったりアジャイルマンセーって言うコールしているときじゃないぜ、って言い始めたよね。もう、机上は終わりだって。


ワタシは思うよ。

“プロジェクトマネージメントなんてやるもの”


、なんだよ。実践で使うツールなんだよ。だから、プロジェクトなのなら、プロジェクトで使えるはずだ。そして、自分のイメージように使えるプロジェクトマネジメントのツールを探し、改良し、ときには失敗し、自分自身がまだまだ無知であることを知るんだよ。


アジャイルはプロジェクト計画を作らないはウソ
ここでいうアジャイルスクラムとカンバンをイメージしていますけどネ。アジャイル、プロジェクト計画を作らない、とか思うでしょ?それに相当するモノは作っている、と思うんですね。インセプションデッキはプロジェクト憲章とかプロダクトバックログは開発テーマとか。進捗管理はカンバンとか。品質管理なんてしっかりチケット切れっていうじゃない。


このプロジェクトは何を作るのか、その概念を書き記すのがウォーターフォールだけどアジャイルならインセプションデッキだ。インセプションデッキの方がプロジェクトの目的を様々な面で標題分別されていて返って明確でいいと思う。文章が書いプロジェクトマネージャの想いの順番に並んでいるよりね。分かりやすいってことは誤解の余地を少なくするのでいいと思う。


開発規模のもととなる開発テーマもウォーターフォールには基本設計で機能仕様を整理するけれど、勿論、アジャイルにだってスプリントバックログの形で作るよ。そして必ず作る、という範囲を明確にする。


進捗なんてそれこそ下手なウォーターフォールよりしっかりやると思うよ。ウォーターフォールだとね、付帯作業のようなこととかWBSに記載しないことがままあるんだよね。で、カンバンのようにWIPを制限するようなことをしないからいつの間にか一人が複数のタスクを抱えてしまっているんだよね。進捗管理をタスクコントロールと振り仮名をつけるなら正にウォーターフォールより“管理”しているよね。


ね、アジャイルってプロジェクト計画のパーツは作っているんだよ。


体系的じゃないけれど。


ウォーターフォールだっていい加減なプロジェクト計画ならゴミ
なんかね、ウォーターフォールのプロジェクト計画って、さすがに浸透してきているので様式がいろいろと用意されているでしょう。だから、表面的にしか知らなくてもそれとなく書けちゃうんですよ。プロジェクト計画が。


でも、中身がない。どうキャリーするのか、具体的な所作がないから一つひとつのパーツがかみ合ってないんだね。中身がないと言うのは、具体的な作業のイメージを持っていないまま書いていたり、「ここまではやるんだ。」という閾値を持っていないまま書くからね。


だから、綺麗な書式を穴埋めしただけで“キレイ”に見えてしまうけれど、実は何もない、スカスカの計画が出来上がってしまう。ここでまた悲劇を生んでしまう。


じゃあ最初に「全部子細に書くの?」って訊かれたら違うよ、と応える。プロジェクトマネージャがメンバを含めたステークホルダへ想いを伝えるときまでに必要なんだ。でも、いつリリースするとか、時間軸は一番最初にマイルストーンのレベルでは必要なんだよ。これは外せないんだ。


時間軸はマイルストーンまではしっかりと。スコープの範囲も最初に。これがWBSのもとだからね。成果物、deliverableに応じた基本的な作業標準、進捗の管理単位の設定、品質の考え方とエビデンスの補完関係の整理。そうした基本的なことは一番最初に必要なんだよ。


アジャイルウォーターフォールの実践ツールになる
ワタシはね、そう思っているんだ。実際、そうやっているよ。そう見切ったからスクラムとカンバンをやっているだ。でもプロジェクト管理手法のフレームワークウォーターフォールだ。プロジェクトを“回す”ツールとテクニックがスクラムでありカンバンなんだ。


異論は認めよう。だって自分が思ったよりもっといいやり方があるならちょっとだけでも教えて欲しいもんね。もっと楽にもっと楽しくもっと確実にもっと安全に早くプロジェクトをやりたいもの。


それでもやっぱり、アジャイルウォーターフォールに組み込まれる。いや、組み込まざる得ないんじゃないかな。その方が得られるメリットが大きいから。