「今、いいですか。」
「このメールだけ出させて。忘れちゃうから…。それでどうしたの。」
「今度、研修を開くことになったので、研修の先生されたと聞いていたので情報もらおうかと思いまして。」
「研修で何を話すの。」
「担当の全社活動について、なんです。」
「受講生はどんな年齢層なの。」
「若手ですね。」
「資料は、ダウンロード出来るようにしてあるからそのURLをメールするね。」
「ありがとうございます。じゃあ早速戻って参考に…。」
「ちょっと待って。5分くらい時間いいかな。研修資料がなぜこんな構成やデザインになったか背景だけ説明しておきたいんだけど。」
「それは助かります。」
「一見すると、あげたスライドはスカスカなんだよね。でもね、これも意図していることなんだ。」
「どういう意図ですか。」
「受講セグメントがチョー若手で受講者全員がこの手の基礎情報を持っていることが期待できない。ただ、勉強は出来る子達なので公式を見せたら自分でやることは出来るはず。」
「受講者のペルソナ作りですね。」
「そう、そうなのかな。意識していなかったけど。なので、スライド1ページあたりの情報は極力減らす。座学より体感、経験するワークショップをテーマは違っても同じパターンで何度も繰り返させる。」
「随分考えて作られているんですね。」
「それ褒めてないよね、いいけど。そりゃそうだ、だって何十人も受講生がいるんだから無駄にできないだろう。」
「講座運営はさっきみたいなんだけどさ、一番大事なのは研修目的を明示して学びの目標を受講者に伝えることかな。今日研修が終わったら何ができるようになっていないといけないか、って。」
「講座ではせっかくだからツールの使い方も入れようかと思っているんです。」
「できればそうした発想はやめた方がいいと思うよ。目的が達成されることが大事だから。ツールの説明しても目的が理解されていないと使わないと思うよ。」
「その辺もよく考えておきます。」