一番やさしい課題管理 −課題とは−


プロジェクトで必ず管理するはずの課題管理が現場のプロジェクトで「うまく回っているなぁ」と感心することはそれほど多くないのが個人的な印象です。上手にやっているプロジェクトマネージャの顔を見れば、納得するだけのスキルを持っていることを思い出すし、うまくいっていないプロジェクトのプロジェクトマネージャの顔を見れば、経験を積むためにも「がんばってね」と言いたくなるのです。


どうして課題を管理するの?
プロジェクトで課題を管理するのは「なぜ」でしょう。たぶん、みなさんは「やるものだと教えられたから」と答えるのではないでしょうか。


プロジェクトマネージャの見習いならそれはそれで十分なのですが、独り立ちした頃には「なぜ」を自分の言葉で持ち合わせておきたいものです。そうでなければ、開発チームのメンバにどうして課題管理をするのか、後進の育成として指導する際に自分のポリシとして伝えられないからです。


課題と問題は違うの?
課題を辞書で引くと、

か‐だい〔クワ‐〕【課題】
1 与える、または、与えられる題目や主題。「論文の―」「―図書
2 解決しなければならない問題。果たすべき仕事。「公害対策は今日の大きな―である」「緊急―」


2つの意味があることがわかります。そのうち、プロジェクトマネジメントに適当な意味は後者だとわかると思います。


ついでに問題も辞書を引いてみます。

もん‐だい【問題】
1 解答を求める問い。試験などの問い。「数学の―を解く」「入試―」
2 批判・論争・研究などの対象となる事柄。解決すべき事柄。課題。「そんな提案は―にならない」「経済―」「食糧―」
3 困った事柄。厄介な事件。「新たな―が起きる」
4 世間が関心をよせているもの。話題。「―の議員」


課題の意味にある問題は、意味の2番と3番であることがわかりますね。使用例を見ると2番のほうが適切の様に思えます。


課題と問題は区別しないといけないの?
ここでひとつ頭の隅において欲しいことは、辞書では課題も問題もそれほど分別していない、ということです。−−Web辞書ではなくて、ちゃんとした辞書だと問題の意味は詳しく意味が書かれているし、意味自体ももう少し多く書かれていますがその辺は割愛します−−ざっくり理解すると言う点においては、そんな感じ、と言うレベルです。


それを踏まえて、課題管理は「ToDo」と同じと捉えてよいと思います。一方、問題管理は、上記の問題の意味の3番目の意味でイシューを分別したものを扱います。


ToDoは具体的に解決するテーマが決まっている。他方、問題はまだ得体も知れないけれど解決しないとプロジェクトの進行上、妨げとなるものです。


じゃあ、分けて管理しないといけないかどうかは、プロジェクトに依るとしか言いようがないです。分ければ管理工数がかさみますし、一緒に管理すれば雑多な印象を持つかもしれません。いずれにしてもプロジェクトマネージメントとして「どちらが管理しやすいか」という価値観や管理コストを負える体力があるか、で判断するしかありません。