二流、三流もしくはそれ以下の考え方をしていたときに気づいたこと

プロマネの勉強をしはじめたころ、まだ、プロジェクトマネジメントが今ほど誰もが普通にやるものだ、なんて思っていなかった頃の話です。


偶然か必然か、ワタシはPMPを取るために受験に関する情報は何でも集め、PMBOKの勉強を始めたんですね。それが唯一のキャリアパスへの手掛かりと。


そうすると何が起きるかと言うと、データが集積するんですね。一見当たり前じゃん、と思うかもしれないけれどデータをたくさん持つということの重要性はこの後わかりました。


もともとも目的はPMPの資格取得でしたから、それを成すために準備をして高い受験料で落ちると目も当てられないので一発で受かるためにできることを何でもするよ、とリソースを最大限に突っ込んで進めたんです。そのあたりは大分目前のエントリにチラチラと書いているので割愛します。


資格取得に対する補助が出る制度があったので、手続きすると上司に押印を貰うところでばれるわけです。で、エライ人のところに情報が共有される、と。まだ珍しかった時期でしたから。


そうすると機会を設けるので資格取得の顛末を話してよ、とお鉢が回ってきたんですね。それまで、そうした場にはどちらかというと避けて通っていた方なので立場が180度かわるんです。まぁ、上からの依頼ですし、お断りするほどのことでもないので引き受けてスライドを作るんです。


で、作りながら思うんですね。ワタシは自分に必要だと思ってかなり自分に対してお金も時間も投資をして、なんとか資格取得と補助を得た。でも補助なんて投資したお金のほとんどが消えた。投資としては、計画とおりの結果を得たので成功だったけれど、その経験を何の労をせずに聞こうとする人たちはなんなんだろう、と。


今思えば、このあたりがまだ二流、三流の考え方なんですよね。えっと、いま一流と言うわけじゃないですよ。普通にその辺にいるオジサンです。


なんで当時のワタシが、二流、三流もしくはそれ以下の考え方かと言うと、聞く人は、あくまでもワタシの経験をワタシのバイアスでまとめたものを聞くだけなんですね。経験から得たものをワタシの中で汎化してモデル化して言葉に変換した結果を聞いているだけ。


聡い人は、その中から自分のためになりそうなキーワードを拾って自分で調べて興味を持てる可能性があるかを判断してその先に行くでしょう。でも、一部分の人は良くてもメモを取ってお終い。少数の人は、その後配布されるスライドを手元に置いて忘れちゃう。大半の人はなにもしない。


そこには何も失うことはないんですよね。そのあと、しばらくしてそのことに気付いたとき、憑き物が取れたきがしました。そう、何でも「先に」やったもの勝ちなんだ、と。その経験を汎化して言い換えるとモデル化してしまえば、あとは捨てていいのだ、と。


それと貯めたデータを持っていますし、データの貯め方を知っているんですね。だから次に言っても同じようにすればいいだけだもの。もう、これはすごい自信です。だから、やったことを隠そうなんて思わなくなるんですね。

「いいじゃん、そんなの教えちゃいなよ、you!」


これです。これ。


で、自分の経験を晒すと反応が返ってくる。うれしいのは、間違っているじゃないかとかその考え方はおかしいとかツッコミですね。ワタシが理解していない、見落としている面を教えてくれる人です。なるほどねー、そうかきづかなかったねー、ありがとう、と。


こうした経験もまた、先陣を切ってやる人だけが得られるんですよね。