メモをノートに取るのは自分を育てるため、なんだけれどなぁ
電車の動画広告で「秒速で変わっていく…」で映している媒体が新聞だったりするところが矛盾というか情報を伝えるシンボルだから仕方がないのか、なんて思いながら人身事故で止まっている電車でつらつらと思ってみたり。
新人研修の講座を持っている身としては、OJTで「メモを取れ」という上司先輩は仕事がデキない 「教えてやっている」という意識は捨ててくれ の記事はちょっと関心を持たざる得ないかな。
受け持っている講座はjavaなどの開発言語やフレームワークやxUNITなどの開発支援ツールというシステムを作るための直接の道具ではないのだけれど、仕事をする上で日々どうしても必要になる基礎スキルのほんとの基礎的なところを承っております。
ご希望があれば、貴社向けに講座を有償でお受けしますのでご相談ください。
オジサンだってメモを取る
そんな講座でも「メモを取れ」は言わないんだよねえ。自分の仕事で振り返ってみるとオジサンになってからの方がメモを取る、ううん、ノートを取るという感覚なんだけれど、それは記憶力がだいぶ怪しくなってきたからなんだよねぇ。
で、そのノートに取ったメモをどのくらい見返すかというとほとんど見ないですね。なぜなら記憶にあるうちでできているから、です。ノートを取るのは外部記憶装置という保険ですから。
何を「メモ」すればいいのか
取ったノートのメモを見返さなくてもいいのはどうしてか。そこだと思うんですけどね。新人だろうがオジサンだろうがノートに「何を」メモするのか。したらいいのか。そこを言わないのはズルいと思うよ。
教えてもらうことを「メモを取れ」という状況にあったとして、教えてもらうことの何をメモを取ったらいいのかってことです。みなさんは何をメモるんですか。それを教えて欲しいなぁと。「メモを取れ」と命令調でいう先輩がいたら丁寧に伺ってみたいです。
「先輩なら何をメモしますか。研修でもメモを取る講座はなかったので是非ご教授ください」
と。
それで素直に教えてくれる先輩なら素直でいい先輩なんだろうと思います。「そんなこともわからないのか」とか「そのくらい自分で考えろ」という先輩なら先がないので「いいところだけ」パクりましょう。
オジサンがメモを見返さなくていい理由
オジサンならあまりノートを取らない方が多いかもしれません。ちょっと記憶が年月経過とともに怪しくなってきたのでメモを書き残します。でも、だいたいはノートを見返す必要がありません。
なぜなら、仕事のオーダを受けたときにポイントを押さえてしまうからです。じゃあ、そのポイントってなんでしょうか。
・具体的なアウトプットイメージ 仕様、分量、体裁などのアウトプットの諸元
・納期 アウトプットを渡す日時。日付と時刻ですから
・特記 なる早とか途中で一回見せて、とか
これをオーダを受けたときに押さえておくので何をやればいいのか理解していますからね。準備はバッチリです。でも、期日を忘れるんですよね。だからメモを取る。あともう一つ。
・知っている人を押さえる
たまたまその仕事を初めて担当することもあります。オジサンになると応用力を働かせる仕事ばかりになります。ルーティンワークもなくはないですが、面倒な方を任されます。そのとき、類似な仕事をやったことがある人を知っていれば、もしわからないときに情報をもらいに行くことができます。情報のリンクをその人の名前で押さえるんですね。
新人がメモを取らないといけないケース
新人は応用力を働かせられないから何がなんでもメモを取らないといけないんでしょうか。いえいえ、そんなことはないと思います。新人だってメモを取らなくていいケースだってあるんです。例えば、業務フローが定義されている仕事やルールがある仕事なら。あと、手順書がある仕事もそう。
でも、配属されたばかりで仕事のイロハを知らないときは仕事を覚えないといけない。これは、仕事の仕方を無意識にできる状態まで訓練する必要があります。この訓練は新人が自分自身に仕事の仕方を身に付けるために必要なことです。
学習の仕方は人それぞれで学生の頃から身につけたやり方があるのですから自分を一番知っているやり方でやったらいいです。強制されてやるよりはいいと思います。効率とかは抜きにして。
仕事の仕方は身につけられるまで自分を自分で育てるために必要です。でも、標準化されている手順なら取る必要はないです。ただ、手順を理解するためのメモなら別ですよ。
標準化されている作業の手順書がないなら
実はよくあるんですよね。誰かさんに聞かないとわからない仕事って。もし、そういう仕事があったら、業務フローを書く訓練と思って自分のために作ってみましょう。
そして、もし、来年新人が来たら渡してしまいましょう。少なくとも自分の仕事のやり方、理解した仕事を新人に受け取ってもらうことができますし。
結局、メモをノートに取るのって、要件や業務仕様を聴き取る訓練なんですよね。究極的には。それを先輩がわかっているなら新人の頃に言われることが「何十年も先に生きてくるから日々工夫しようね」と言ってあげましょう。