新人研修だけでは即戦力にならない理由
新人研修に少しですが関わる者としては「新人研修有りき」と思っているので新人研修は「必要でしょ」と思っているのですが…記憶を遡ってみたらワタシが受けた研修って比較になるようなもんじゃなかった。あ、今の研修制度と比較して、ですけど。
研修制度がある組織にいるとそれが「当然」という感覚になるから危ないあぶない。多分、手厚い方の部類なんだろうなぁと、勝手に思っていますが、新人研修ってなんのためにやるのかを改めて考えてみた次第です。
新人研修だけでは即戦力にならない
まれに、学生自体の研究テーマが事業で必要としていたケースがあることはありましたが本当数ケースあるかないか。組織で必要とするシステムエンジニアとして最低限持っていて欲しいスキルはそれぞれの組織で違うのは当然として、新人研修は様々な事業で適用する技術をカバーすることは新人研修期間という有限の時間軸の中では現実的ではないですから、結果的に共通項だけで教育の時間割が編成されるわけです。
ビジネスマナー、OA利用技術などはちょっとしか時間を割けず、ほぼプログラミングだけで終わってしまいます。そのプログラミングの内容で工夫することが多いようです。
例えばチームを作り、仮想のプロジェクトを立ち上げ競争しあうような。そこには現場にあるような業務知識は存在しないので習得に期待できることはツールの使い方、言語の使い方程度でしょう。がんばってアルゴリズムくらい。
新人研修ではこれだけしかやる時間が取れないし、個別の事業ドメインの業務知識を習得までややらないのでそのまま配属されると先輩システムエンジニアは
「使えねぇ」
「負担にしかならないよ」
と勘違いな暴言を吐くわけです。新人がそんなこと言われても自分で組み立てた教育プランではないですからね。いうなら番組を作ったところに、です。そもそも「育てるのは先輩システムエンジニアだぞ」ですけどね。
じゃあ新人研修は何のためにやると思う?
じゃあ何のために新人研修をやるのかと?がつきますよね。何のためにやるかちょっと、そう5分考えて3つか5つくらい理由を出してみてください。
案外難しいでしょ。普段考えていないですもんね。新人研修を研修担当に「托卵」しているわけです、現場は。で、羽化したらしたで文句ばかりです。でループになると。
仮にWebアプリ開発をしている組織で、新人研修がjavaだったらどうかというと、
・仕事の基本的な進め方
・IDEなどのツールの使い方
・言語の読み書き
の基本動作ができるようになって配属されるんですね。そう、共通項として必要な最低限で使う「開発の言葉」を覚えてくる。
これってコミュニケーションコストをちょっとだけ下げているんですね。少なくとも一から現場で教える必要がない。その次、応用とか現場の事業ドメインの業務知識から始めればいい。
でも目立つのはそれじゃない方
でも実際に問題になるのは、「コミュニケーションスキルそのもの」の方なんですよね。新人と先輩との間のインタフェースが合わない。先輩としての持っている経験が新人の最低限しか持っていない人生経験としてのインタフェースのバージョンが低すぎる。
そこにギャップが生じて意思疎通の不良が発現するわけです。なんとも。でそれを全部新人に押し付ける先輩がいると目も当てられませんよね。
だから先輩システムエンジニアの人にはいうんです。あなたが新人で入ってきたときどうだったか、と。今あなたがしている対応を自分がされたらどう感じ思うか、と。
決して優しくしなさいとは言わないです。情報量の較差があるのですからそれを埋めてインタフェースを取りなさい、と。