2015秋イベントで解説するプロジェクトマネジメント


艦これの2015年秋イベントが火曜に終わりましたね。さすがに甲甲乙乙乙と途中から納期までに完了することをこの秋イベントプロジェクトの目的に切り替え、滑り込みセーフしたようなものです。



常々思っていますが、艦これは稀に見るプロジェクトマネジメントを学ぶには良いセルフワークショップのツールだと思っています。ドラクエだってFF(FFはやったことないけど)主人公がスキルを上げて経験を積んでボスを倒すから「同じじゃない?」と思う人もいるかもしれないけれど、決定的に違うのは

「艦これには兵站がある」


のです。ちなみに兵站とは、

へい‐たん【兵×站】
戦闘部隊の後方にあって、人員・兵器・食糧などの前送・補給にあたり、また、後方連絡線の確保にあたる活動機能。ロジスティクス。「―部」


という意味です。物資の補給ですね。ゲームを維持=続けるためには、燃料・鉄鋼・弾薬・ボーキサイトをある程度確保しつつ作戦に挑む必要があるのです。


もちろん、任務(作戦)をクリアするためのチームを組むので任務ごとに適切な性質(ロール)とスキル(装備)を持つメンバでチーム編成する必要があります。



作戦はプロジェクトマネジメントに当てはめるとプロジェクトそのものです。有期限性ですし、QCDが設定される。QのQualityはイベントでプレーヤーである提督が目的とするイベントをクリアすることとプロジェクトの目標として艦娘の獲得をどのように設定するかを決定しますし、CのCostは、ゲームをする上で必要なリソースをどのように確保し、投下するかを決定します。さらに、DのDeliveryは先に挙げた有期限性のイベント終了日時が設定されます。


艦これのイベントは例えば今回の秋イベントと5つの作戦で構成されています。秋イベントを1つの大きなプログラム(プロジェクトを束ねたもの)として捉え、作戦をサブブロジェクトと見立てることができます。作戦を局面に見立てた方が良いのではないかと思うかもしれませんが、作戦ごとに編成や作戦の目的が違うためプログラムープロジェクトの関係で見立てた方が合理的でしょう。


実際のプロジェクト(作戦)にあたっては、制約条件(ステージごとに設定されている条件)があるので情報を収集してプロジェクト計画を立てなければプロジェクトを期限内に完了させることは難しいです。


そのプロジェクト計画ですが、サブプロジェクトごとに計画を立てる必要があります。


プロジェクト(作戦)計画
・プロジェクト(作戦)を達成するには適切な性質とスキルレベルを持つメンバでチームを編成する
・リソース(兵站)を確保するためにデイリー任務を行う
・プロジェクト(作戦)を達成するために必要なスキル(装備)のメンバを確保する
・プロジェクト(作戦)を達成するために必要な適切な性質とスキル(装備)を調査する


で、立案したプロジェクト計画に沿ってプロジェクトを遂行するわけですがそうやすやすとはいかないのが艦これもプロジェクトも同じです。そのため、計画に対しモニタリングとコントロールと修正が必要となるのです。

プロジェクト(作戦)遂行中
・スケジュールの計画、実施と更新
・リソース(兵站)のコントロール
・プロジェクト(作戦)の実施と結果(戦果)の記録と次作戦へのフィードバック
・プロジェクト(作戦)の結果に応じたメンバとスキル(装備)の組み替え


なにより、一番のリソース管理が必要なのはプロジェクトマネージャである提督自身のリソースコントロールとモチベーションのコントロールです。進捗とリソースに応じて、作戦種別である甲乙丙を選び直す決断を迫られることもあります。




プロジェクトマネージャがプロジェクトの目的をどう設定しているか、プロジェクトの目標の確保するかプロジェクトの完了時の見通しを見切るかで作戦の選択判断をしなければならないわけです。


個別のプロジェクトのクリア報酬として得られる艦娘をアウトプットとして確保することがプロジェクトの具体的な定量的な目標になります。




ただ、作戦中にランダムにドロップする艦娘が得られるかどうかは運次第なのでリスクマネジメントの観点でいえば、ドロップできた場合は、プラスのリスクが発現したことになるのです。


さて、グラーフちゃんとか嵐ちゃんって実在したのでしたっけ。