システムエンジニアが後悔しない自己とのコミュニケーション
システムエンジニアは、相対的に技術的な拘束から解放され、自由意志により技術を選択できるようになりました。
しかし、その代わりにその技術が生き残こるかどうかはシステムエンジニア自身が見極めなくてはならなくなったのです。
それは、システムエンジニアは技術の拘束から自由を得た代わりにキャリアをセルフプランニングする必要に迫られているのです。
30年前とはシステムエンジニアを取り巻く環境は180度変わっています。コンピュータ室に行ってダム端末からタイプしないと仕事ができない環境から、普通のPCでアプリケーションを作ることもインフラ基盤を仮想環境で作ることも安価に手軽にできるようになりました。
開発言語もCOBOLやFORTRANなどからJavaやRubyなどに多彩になりました。望みがあればそれをいつでも手に入れられる環境が揃っています。そうした観点ではCOBOLやFORTRANから分散系の言語の選択肢が与えられ、システムエンジニアの意志により適用技術を選択できるようになりました。
ただ、その適用技術はシステムを構成するための手段でしかありません。自由意志により選択できる環境が整ったということは、自由意志により選択した開発言語がいつまた変遷していくかもしれないという不安定な基盤であることを意味しているのです。
つまり適用技術である開発言語は変わるもの、という前提のもとに選択する必要があるということです。そこには、選ぶ勇気と将来変わらなければならないという覚悟とその時が来たら変わる勇気を持ち続けなければならないのです。
その変化は急に、不意に訪れるのです。そうした変化を受け入れる、状況を把握するだけの冷静さが必要です。冷静さがなければシステムエンジニアとしてどのような選択をすればいいか、適切な判断ができないからです。
変化は急に不意にやってきます。それに対応できるようにしておくのがキャリアのプランニングです。システムエンジニアの生涯に活用できる技術、変化させていく技術をシステムエンジニア自身が見極め、技術を昇華させていくロードマップを描き、歩まなければならないのです。
それはシステムエンジニアが技術から解放されたからであり、意思表示するしないに関わらず自分で自分自身のキャリアのシナリオを描かなくてはならない時代に変化したからです。
変化に対応するために、エンジニアは自分自身とコミュニケーションをとらなくてはいけなくなったのです。