困っていることを聞く聴き方を変えてみよう

「何か困っていることはないですか」

「…」
「…」
「本当にないの、困っていること」
「特には…。そっちはどう」
「今は別に困っていないけど」

 プロジェクトの進捗上の妨げ、障害になることは放置すれば単なる課題だったものがリスクにクラスチェンジするのでほおっておくことはできませんし、メンバの進捗がプロジェクトのアウトプットに繋がるのでプロジェクトマネージャとしてはそれをいかに排除したり、回避したり、片付けておきたいと思うのは当然のことです。

ところが、そうしたことを頭の隅に置きながらメンバに「困っていないか」と聞いてもなかなか言ってくるメンバはそういないもので、言ってくれるメンバもいつも限られたメンバであることが多いものです。

なんででしょうねぇ。

困ってからでないと困っていない

なんか禅問答ぽいですが、「困ってることない」と聞いているから、今は困っていないから言わなくていいと思っているんじゃないかと思うんですよ。

あれ、なんか変ですね。

困っているとなかなか言ってくれない人は、

困った状態になってから初めて「困っている」ことに気づく

んです。だから、今はまだ困っていないから困っていると言わないんです。と、気づいたとき「なるほどねぇ」と思いました。目から鱗というか。

困りきる前に相談して  

プロジェクトマネージャの立場としては、困りきって、打つ手がない状態になってから言われても今度はこっちが困るわけです。だって、達磨さん状態になってしまうので。

本来期待しているのは、

「困りそうな雰囲気になったら相談して」

なんですよ。

相談して欲しいのは困ってからじゃない

ほら、ギャップ発見。

          ↓PMが相談してほしいタイミング

困っていない←・・・困りそうな雰囲気・・・・限界・・→困ってる

                メンバが相談するタイミング↑

 ね、こうでしょう。

つまり、プロジェクトマネージャは困る前に、プロマネが動いたら、ー例えば、対外的な調整とかコストやリソースの問題とか設備とかー解決するものは言って欲しいわけです。プロジェクトのためにね。

聴き方を変えてみよう

だったら、そのギャップを解消してみよう、と。そうそう、クローズドクエッションにならないように気をつけて…。

「自分で解決できないテーマはどれ」

「誰に聞けばいいかわからないことってどれ」

 どうです。WBSや課題一覧などを一緒に見ながら、「どこにある?」と順を追って聞けば出てきそうじゃありませんか。