アイツは使えないシステムエンジニアだから
あなたがマネージャやプロジェクトマネージャを目指すなら、自分のメンバに対して思ってはいけないことが1だけあるのです。それは、
「アイツは使えないシステムエンジニアだ」
ということです。
それを口に出すことは、自分がマネージャに不適格であることを言っているのと同じなのです。
人的リソースはgivenであるということ
組織で採用されるメンバ、人的リソースはすべてgivenです。社長でさえ、生え抜きであろうと関連組織からの出向であろうと結局誰かがアサインしているので、外部から与えられているということです。
人的リソースは自分では選べない。
そんなことはないだって。よく考えてみてください。新規採用だって自分たちの組織の誰か複数の手を経て採用されている。すでに手垢のついた、組織の文化のフィルタを浸透してきたその組織のフィルタを通って真水となった人材の誰かが自分の目の前にいるのです。
自分で選べると思っていたら間違いです。
マネージャは人的リソースを使い切らないといけない
givenとして与えられた人的リソースをその年度の事業に都度調整しながら最大限に活用して事業目標を達成するのがマネージャの仕事です。
都度調整とは、育成にあたります。事業の目標、事業の変化があればそれに合わせてリソースを変化させなければ対応できませんから。
変化させ、パフォーマンスを最大限に発揮してもらって、それでやっと目標は達成できる。ハズ。だからどうにかしてでも人的リソースを使う必要があるし、使い切らないと目標が達成できない。
使い切るためには人的リソースを知ることから
その人的リソースであるメンバは一人ひとり考える思考と揺れる感情を持っています。生まれ持った性質もあるし、後天的に習得した性質持ち合わせています。これまでの成功体験もあるし、今関心を持っていることもある。
それを知らずに事業目標をアサインするだけで成果が得られ、目標達成できるのであればそんな楽な商売はないです。そんなことをしていたらgivenである人的リソースはバタバタと病んでいくか、愛想を尽かして辞めていきますよ。
マネージャとメンバで達成する目標とそれを実現する手段と方法を会話により共通理解をして、同じ方向に顔を向けなければ実現は難しい。
共通の目標であることを話し合っても一致することも実はそうはないのです。言葉としては交わしてもね。それぞれの本心は会話の中には現れると思っていたらそれは素直に育った人です。全員が全員そうした環境で育ったわけではないのですから。
それでも、少なくとも同じ方向を向いて同じ方向に歩き始めることが助け合い同じ目標を達成するためにお互いが何をすればいよいかを知ることの一歩になるのです。
使えないと思ったら特性を見誤っていると気づくこと
もし「コイツ使えない」と思ったらそれはそのメンバの特性をまだ知らないか、知った上でミスマッチのアサインをしているということの他ありません。
人的リソースをアサインした以上、その進捗も成果の出来も確認しなければならないのはマネージャが自分が担当している事業があるからです。そこでミスマッチを起こしていたらそれはマネージャが自分の責任の上で決断しているわけで、早々に手を打たなければらならないのですから。
事業のリカバリは笑うほど簡単ではありません。(実体験
プロジェクトマネージャの場合は、事業をプロジェクトに置き換えてください。そしてミスマッチの放置は死ぬので速攻で見極めることです。