ちょっと待って!チームは急に立ち上がらない!!


どうにかやりきった提案、慌ただしい契約手続き、予定していたメンバが前のプロジェクトに引っ張られて参加できないと言われるメンバアサイン。提案チームからプロジェクトマネージャへの名ばかりの引き継ぎ。プロジェクト計画を作成しようにも客先挨拶や宿題をもらったりするなどで時間がどんどん削られていくプロジェクトマネージャ。早々にキックオフミーティングが設定されて資料作りに追われ、WBSの作成にだっていつになるのやら…。


これでプロジェクトチームが契約日から「タチアガルノカ」、ということです。


でも、契約したプロジェクト開始日からプロジェクトは始まっているのです。プロジェクトが始まるということはアウトプットを出さなければならないのです。もし、開始日のアウトプットがなければその分のアウトプットは翌日以降にツケを回す、ということになります。


でもですね、現実にはプロジェクト開始日だからといって現場の雰囲気ってどうですか。ぜんぜん切羽詰まっているというか緊張感なんてないんじゃないですか。最初の1週間なんてのんびり仕事をしていませんか。


今時のプロジェクトは計画駆動型のプロジェクトマネジメントのスタイルを取ると思いますから、プロジェクト計画書は作るでしょうし、プロジェクトのアウトプットを作成するためにもWBSは必要だし、プロジェクトの目的や考え方を合わせるためにキックオフミーティングだって必要です。


その前に、立ち上げ当初のメンバを招集しなければならないし、外部のリソースを利用するなら契約手続きから始めないといけないわけです。プロジェクトの概要を説明して、必要なスキルセットとレベルを提示して見積もりしてもらう、と。


プロジェクトが成功するかどうかの勝負はプロジェクト開始日から1週間、だと思っています。


準備、段取りが8割の世界です。そこをモタモタしていたら貴重な時間をドブに捨ててしまうことになるし、将来の自分のプロジェクトの首を絞めることになります。


でも、プロジェクト開始日から成果であるアウトプットを出さなければならないのです。プロジェクトを立ち上げるための準備とそれを行うメンバのアサインタイミングでラグが出てしまう。それが大きすぎるとプロジェクトチームの雰囲気が緩慢になり、そうして刷り込まれたチームには俊敏性が求められないプロジェクトであると刷り込んでしまうことになるんです。


だから、プロジェクトチームは垂直立ち上げをするつもりでタスクを出さなければならないのです。プロジェクトを垂直立ち上げするために次のことをスピード感を持って進めていかなければなりません。


・提案から参画する。若しくは、提案チームのコアメンバに開始後のサポートを取り付ける
・プロジェクトの方針は都度作らない。自分のポリシーを持つ
・プロジェクト内で共通的な事項と直近のフェーズだけのプロジェクト計画書を作成する
・プロジェクト共通事項は流用する
WBSは局面、第2レベル、アウトプット定義までとし、数項目だけは基準となるように展開する
WBSマイルストーンと日付を入れる
・プロジェクトチームでの最低限のルールを決める
・キックオフミーティングで上記までのプロジェクトの姿勢を説明し、プロジェクトにコミットしてもらう
・メンバにコアリーダを決め、WBSの展開を基準に沿って展開するように指示する
・メンバのアウトプットの品質レベルとスピードがプロジェクトで要求するレベルかモニタリングとコントロールする


この10個のことをスピード感を持っていきなりやれと言われて無理だと思うなら、日々の仕事の中で訓練しておく他ありません。そう、結局、自分でこれを立ち回れるだけのスキルを身につけておかなければ、プロジェクトチームは急に立ち上げられないのです。