コントロール可能な管理スパンとマネージャのキャパシティ

所属する組織がなぜその形状になっているか、それを余り気にする人は多くはないと思うのです。その気にしない人の中にはシステムエンジニアはもちろん含まれます現場のフロントに立つマネージャだって同じです。


なぜなら、気にしない人たちは自分で担当するビジネスをどのような体制と分業で実現しようかを考えたわけではないから。


だから、業績が芳しくなかったり、ビジネスのプレッシャーがキツイとマネージャを飲み屋で個人攻撃してストレス解消するわけです。そんなシーンを思い浮かべるのはちょっと、昭和すぎるかもしれませんが。


プロジェクトマネージャなら自分が担当するプロジェクトの体制、役割分担をプロジェクトの目的を達成するためにデザインするのはそれがミッションのひとつだからです。もし、プロジェクトマネージャがプロジェクトの特性を理解しないで体制を過去の経験から流用しているとするならそれはどこかで無理が生じるのです。


所属する組織とプロジェクトの組織は、本質的には同じと考えてよいのです。難しく考える必要はありません。純粋に、組織として期待されている成果を果たし、貢献することが組織やプロジェクトの存在意義なのですから。


組織をデザインすることを考えるときにひとつ自分自身について正しく認識をしてかなければならないことがあります。それは、

「自分で何人までコントロールすることができるか」


を知っていること、です。自分がどこまで自分のコントロールしたいレベルで目を配ることができるか。コントロール可能なスパンといってもいいです。


これ、自分で自分のこととして知っているマネージャは少ないです。



自分のコントロール可能なスパンとは、マネージャとして自分のポリシーや判断基準を伝え、透過的にオペレーションができる範囲を指します。あるマネージャは10人かもしれないし、こっちのマネージャは5人かもしれない。


コントロール可能なスパンが広がれば、それをコントロールする自分自身がコントロールポイントとして1:Nの分だけコミュニケーションをとり続けなければなりません。そしてコミュニケーションをとった後は継続してモニタリングしなければなりません。組織が生き続けるためには必要なことなのです。


このコントロール可能な管理スパンは、一担当のときから自分のこととして測定することができます。コントロール可能な管理スパンを自分自身のキャパシティとして知っておき、どこが閾値となるのか知っておいた上で組織やプロジェクトの体制に反映することが必要であると理解しておきましょう。