機械化するには理由があるのだから、導入目的を見誤ってはいけない


我が家には食洗機があるんですが、食洗機を買ったのは子供が生まれて小さいうちでした。もう10数年くらいになるかも。いまも修理をしつつ使い続けています。


その頃の風潮は、食洗機は幾つかメーカーから出たけれど家庭内に導入にしている事例は少ないし、食洗機なんて怠け者の印象しかないようでした。実際、買うまでは機械化しようなんて思いもしなかったですから食洗機で洗うことを怠け者と思うかどうかは別として範疇になかったわけです。それがどうして買って運用を続けているか。
#ちょっと言い回しがシステム化ぽいですね。


食洗機の導入目的を間違えてはいけない
こんなエントリを書こうと思ったのは、昨日、食洗機のまとめブログを読んだときに食洗機が本当に必要なターゲットをわかっていないのではないか、と思ったからです。


食洗機を導入する家庭の事情
例えば、買った家にシステムキッチンの一部として最初から据え付けられていたり、賃貸の備品として据え付けられているのであれば食洗機を自ら購入して据え付けようなんて思わないかもしれません。


わざわざ、後付けで食洗機を据え付けるにはそれなりの事情があります。我が家では子育てでした。子育てのときには次から次に洗い物が出てきます。食器もそうだし、衣類もそうです。衣類は洗濯機があるので使用回数を増やせば済む話ですが、食器洗いは機械を導入しなければ人手が取られるのは変わりません。


子育ては、コミュニケーションが取れないどちらかというと子供から一方的に電文が飛んでくるので家事をしている最中かどうか関係なく割り込みをしてきます。NMIなわけです。


もう一つ考えられるのが老齢化した家庭です。時間はあったとしても頭で思うように体がついてきません。手が覚束ないということは皿洗いのときに怪我をする可能性がそれ前に比べて多くなるという可能性を秘めています。


こうした家庭の事情がなければ積極的に導入なんてしないのです。だって高価だもの。


食洗機のメインターゲット
メイン顧客は、育児それも乳幼児を持っている家庭か、老齢の家庭です。どっちを重視するかは気に入ってもらってロイヤリティを期待する前者かそれとも老齢だけれど気に入ってもらったら地域のつながりで口コミを期待する後者を重視するか。


食洗機を出すメーカーが得意なセグメントに出るのか、新規セグメントを切り開くのか。


食洗機には選定基準がある
利用者予備軍からすれば、買う動機さえ持ってもらえれば機器選定にステータスは移ります。ここでもそれぞれの家庭の事情が強く機器選定に影響を与えます。


乳幼児を持つ家庭のケースで検討すると、次のようなシナリオを抽出することができるでしょう。

・短時間で洗えること
・メンテナンスが極力ないこと
・キッチンに置けること
・大皿や鍋が入ること


次から次にアドホックに洗い物が出る場合、洗浄時間は重要なファクターになってきます。セットして洗い終わるのが1時間もかかるなら手で洗ったほうがましと考えてもしょうがないです。食洗機を導入することと本末転倒ですが。


食器洗を機械化して育児にかける時間を確保したいのにメンテナンスに時間がかかるのであればこれもいただけません。


キッチンの空きスペースに置けなければキッチンカウンターの下にビルドインを選定対象としなければならず、予算も格段に増えるのでハードルが上がってしまいます。


27センチくらいの大皿や17センチのフライパンくらいはサクッと飲み込んで洗ってほしいものです。


このほか、静音や省スペースもでてくるかもしれませんが、一桁の分単位の短時間なら短時間を選ぶでしょうし、短時間で回せるならこそ、子育ての合間に食洗機をオンデマンドに有効に使えるわけです。


このとき、時間が最優先であってそれ以外はトレードオフして選択されるです。もし、綺麗に洗い流すことを重視する利用者予備軍を見捨てられないなら、一桁の分単位で洗えるのであれば2回まわすモードを作ればいいのですよ。それでも10分台で終わるのですから。


と思うんですよね。今はそういった食洗機がないんですよ。ほんともったいないホワイトスペースだと思うんですが。