1on1でスキル不足を間接的に

1on1をやっているとついつい目標達成に満たないだろう項目を取り上げて話したくなるのだが、そこはグッと我慢して本人からあれこれと相談してくれることを話したい。

ある中堅エンジニアとの1on1で、ちょうどフォローアップしたばかりでメンバは話すことがないと言う。

その日の1on1を始めて、メンバから話すことがないと聞いたとき、次の4つが繋がった。

  1. 若手エンジニアがエンジニアとしての基礎力がかなり危うい状況にある
  2. 中堅エンジニアは資格大臣(たくさん持っている)だが、実践力が足らない
  3. 中堅エンジニアは自分は技術力を持っていると思っている
  4. 中堅エンジニアは後進育成の活動をしていない

項番1は、WBSWBSとして作れない。その上、WBSを作らないから作業が進捗しないし、作業上の問題をタイムリーに相談しない。

項番2は、ミーティングスペースで別のメンバとの会話が聞こえ漏れて来た話を聞いてみると、(確かに複雑な状況であったが)レビューアの目に叶うドキュメントが作れていない。

項番3は、資格は持っているし、仕事を任されている自負があるので技術力もあると思っているが、実際は項番2の状態なので自分の実力の評価にギャップがある。

項番4は、後進育成も中堅エンジニアのテーマだが、自分から積極的に関わろうとしない。

4つをつなぎ合わせて、こうしたらいいんじゃないかと話を(まさに)作りながら、話始めた。

若手エンジニアのスキルレベルをどう思っているかを尋ね、あまり知らないことを確かめた。もちろん、しならないだろうと言うことを想像していた。その次に、このままでは若手エンジニアは将来エンジニアとして困ってしまうだろう、と伝える。ここでWBSを持ち出す。

WBSは作れるよね、と。もちろんですよと言う。いいかい、中堅エンジニアの経験則ではなく、方法論としてWBSの作成手法を教えられるかと聞く。できますよ、○○の資格を持っていますよ、と。

OK、では、WBSなどエンジニアの基礎スキルの育成を手伝ってもらうことはできるか、とお伺いをしてみる。中堅エンジニアは、自分が持っているスキルを活かせて、期待されていることをやれると思ったのだろう、即答してくれたのでお任せすることにした。

ここの狙いは2つある。

  1. 若手エンジニアの基礎力を身につけさせること
  2. 中堅エンジニアに若手エンジニアの基礎力を身につけさせる教育をさせることで、中堅エンジニア自身の基礎力をおさらいさせること

若手エンジニア自身は頭脳は優秀なので、人のて赤に染まった経験則ではなく、形式知としての公式を覚えてもらう方が結果がすぐに見えるようになることを期待できる。

来週以降が楽しみで仕方がない。

 

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