カンバンおじさんvs子どもさん
実は、一度、件のブログを読んでこれは『いかんやつだ』と思いつつも流してしまっていた。それをもう1度目にする機会があり、読み直してみたら、やはり『根本解決にはならないのではないかなー』と思った。
そんなことを感じつつ、『顧客が本当に必要だったものは』を思い出してしまった。
で、これが件のブログ。
可視化ツールであるバーンダウンチャートは使いたくなるんですよ。可視化したい病に罹ると。気持ちはわからなくもないし、バーンダウンチャートを選ぶこともやってみることも悪手ではない、と思う。
ところで、我が家でも子どもの夏休みの宿題だか、お受験のダイニングでカンバンを使ってみてはどうかと子どもにご提案したことがある。
我が家では皆ダイニングに集まる習性があり、ちょうど、白く広い壁があるので『カンバンにはもってこい』な環境なのである。
そこでカンバンおじさんがムクムクと登場するのである。
どうやって進めたらいいかを悩んでいる風に見えると、『可視化したらいいよ』『カンバンいいよ』と勧めずにはいられない。
それが『カンバンおじさん』である。
ねぇ、ねぇ、とマスキングテープをビシッとはり、Do、Doing、Doneのレーンを作り、カラフルな付箋紙に文字を書いて、貼ってみせる。
『どう』とドヤ顔だったかもしれない。
正直、子どもさんも困っただろう、反応に。
2、3日後にそっとマスキングテープを剥がしたときに学んだことは、
『手法を使うことに興味は持たない』
ということである。
自分で自分を褒めるとすれば(褒める必要性はないが)、意思決定を本人から奪わなかったことである。使うか使わないかは子どもさんである。なぜなら、夏休みの宿題かお受験のどちらかは忘れたけれど、終わらせるのは子どもさんなのだから。
実は、これは意識的にやっていて、道具は(知らないので)存在することを視界に入るようにみせるが、それを使うか使わないかは本人の判断に任せる、という考え方に基づいている(だから強制はしなかった)。
これは
『自分をマネジメントするのは自分』
だから、と考えてるためである。誰かが(子どもが相手であれば親が)マネジメントするとしても、大体が関心を持っている間だけである。興味を持たなくなるか、区切りが来たらそれ以降はマネジメントしない。
放り投げられるのである。
そのとき誰が困るか。
子どもさん自身である。それは大人の、エンジニアの世界も同じである。マイクロマネジメントをし続けたらどうなるか。一番知っているのはエンジニアである親である。
話を引用したブログに戻すと、何がダメというか自分との考え方の違いは何かとというと、上述したとおり、(ブログの書き方、表現上のことだけかもしれないが)意思決定が子どもにないことである。
一見、タスクの意思決定は子どもさんがお持ちになっているが、実は、大事なところでパパさんが意思決定してしまっている。
これでは、次の冬休みに同じように宿題を計画的に終わらそうと子どもさんが思ってもらえるか、と危惧してしまう(そこまで心配する必要はないと言われそうだが)。
何が言いたいかというと、大人と同じで、必要にならないと使わないし、知らないと使いようがないということである。つまり、親やマネージャであるロールの人は、
『こんなのあるよ』
と何気なく視界に入るように知る機会を作るだけしかできないのである。
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