実行できる形式知を持っていることを証明する事例:クリティカル・シンキング

専門家として形式知を保持していることを第三者が評価するには実績で十分だと思われがちだが、第三者の立場で評価しようとすると実績は結果であって、その結果に至る中で、どの形式知を適用したかは説明されないと評価に至ることができない。

よって、申請や口頭試問でそれを問うことでエビデンスを確保することになる。

プロジェクトマネジメント の専門家としてPMPを持っているからと言って、その形式知を適用しているか、それとも経験から得た個人の暗黙知を使っているかは外見からは判断できない。

斜に構えて見れば、実績があるのであれば、どちらであったとしても大勢に影響はない。ただ第三者の立場としてエンジニアの能力を推し量るのであれば、どのような場合に置かれたとしても保持する能力を発揮して期待する結果を得られるとして評価したい。

知識を活用する事例

クリティカル・シンキング

クリティカル・シンキングとは

あらゆる物事の問題を特定して、適切に分析することによって最適解に辿り着くための思考方法である。

引用 批判的思考 - Wikipedia

適用事例

例えば、グループ会社共通の新規業務を策定する際に、共通となる業務の根拠となる規程を策定し準じる必要がある。

なぜ規程が必要かというと、主体の違う事業体に対して、同一の規程を遵守しなければならない義務を課すためである。

最初に取り掛かることは、新規業務の策定について義務化することを各グループ会社の責任者により合意しておくことである。

それを踏まえ、グループ会社として権限を持つ担当者を選出させ、合議形式で新規業務の策定に取り掛かる。

新規業務の検討を始めると、具体的な業務が詳細化され、現実感が増すことにより、各社の担当者はリアリティを持ち始める。

ここまで到達するとこれまでグループ会社共通の新規業務の共通化に賛成していたはずの担当者は、各社の意思決定プロセスを持ち出し、個別事情を取り込むことを要求し始める。

こうした状態全てが『問題』である。

共通の業務を規程に織り込むためには、個別事情を取り込んでは各社の合意形成には至ることは難しい。また、取り込み始めるとケースが増え、規程を適用する各社で混乱が生じるなど規程の履行に対する不確実性が高まる。

よって、共通の業務の規程では、どのグループ会社においても同一に適用可能な構成とする。グループ会社の意見を明示することが問題の特定にあたり、モデリング化する試みが分析に相当する。

グループ会社共通業務を目的に制定された規程は、クリティカル・シンキングを適用することで、規程制定に掛かる問題の特定と分析を行うことで得られた最適解である。

 

 

 

 

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