KPT・FDL・YWTのふりかえり3兄弟を使い分ける

ワークのかたまり、小規模のプロジェクトや継続的な繰り返しのタスクごとにふりかえりを予定して、実施することは担当するタスクで各メンバが得た実践知や感じとったことを共有することで、そのタスクを担当しなかった他のメンバに共有したり、ふりかえりを聞いたメンバが気づいたことのフィードバックを期待できる。

すっかり、ふりかえり=KPTが定着している感を覚えるが、KPTが合わないシーンが多くなってきたように思っている。合わないシーンが多くなってきたのではなく、もともとKPTが合わないふりかえりの場にKPTしかなかったからKPTを使ってて違和感を感じていたのかもしれない。

その違和感を辿るとどこに行き着くかというと、ふりかえりをしたい主体者、つまり、スクラムマスターだったり、プロジェクトマネージャだったり、マネージャがふりかえりに期待する、ふりかえり後の振る舞いにある。もちろん、ふりかえりをしたい主体者はチームのメンバがなることの方がより望ましいのは当然である。

KPTは良いふりかえりの手法であるが、これまでやってきたKPTや見てきたKPTの場は、思いの外、ふりかえりをする主体者に対しての抉り方がきつ過ぎるように感じてならない。もう少し、カジュアルに、リラックスしてふりかえりをしたいが、Kで思いもつかないことを無理にひねり出そうとしたり(これを頑張っても現状と何も変わらないが)、Pで過去のイケてないことを晒し過ぎたり(KPTに慣れておらず他のメンバをdisり気味に捉えられてしまうように言ったり)、Tを山盛りにしたりする。

次のKPTで、前回Tに持った項目(1つか2つくらいにしないから)は、結局できておらず、できていなかったことに対する罪悪感を感じつつも次第にやらないことに何も感じない耐性がついて改善的な負債が積み上がってしまう。

KPTに対して少しネガティブに感じたかもしれないが、改善を出すという観点においてはとても有効だと思っている。

ところでFun/Done/Learnというふりかえり手法があるが、こちらは、仕事って楽しいよね、というバカに明るい心理的な環境を作れる効果を期待できるので良い。Funはタスクを担当したメンバのFunの切り口での感性を知る機会になる。FDLの中で良いのはLearnである。どうして良いかというとさまざなスキルとスキルレベルを持ち寄り、チームとして活動するがタスクはモブでやったとしても、得られる学びはメンバそれぞれである。理由はスキルセットが違うからであることは前に述べた。この学びのLearnを共有することは、それをシェアすることでそのタスクをやらなかったメンバへ半ば強制的にインフォームされる。実は日常において学びを共有する機会はそれほど多くない。LTなどを職場で行うところもあるが、それはイベント性が高過ぎ、頻度が少ない。それを周期的な機会として設けられるのが良いのである。

YWTもある。これは自分としてはKPTのP抜きで、FDLのF抜きの2つの間くらいのふりかえりだと勝手に位置付けている。その上で、Wのわかったことにフォーカスしている。Wを強制的に言語化させたい場合に有効だと思う。

KPTやFDLやYWTを選ぶには、結局、主体者がやったことで何を引き出させたいか、で選ぶのが良いのだろう。改善ならKPT、学びの共有ならFDL、習得した経験の理解度合いを確認するのならYWTという感じに。

 

 

 

LEADER's KPT

LEADER's KPT

 
パナソニック ツイン蛍光灯 27形 電球色 4本束状ブリッジ FDL27EXL