「一生食ってける技術を教えて」と聞かれたら

質問にそのまま正面から答えるか、オフセットして答えるか。技術と聞かれて、適用技術を考えてしまうか、普遍的でその人の性質と深く関わる技術から探し出すか。

「一生食ってける技術を教えて」と尋ねるのは未経験者だろうか。未経験者がそんなことを尋ねるシチュエーションは思い浮かばない。今眺めているブログの記事の流れから、初心者向けの講座に送客したいのだろう。

質問が『何から始めればいいですか』ならわかる。それを踏まえてからの乗っかりで質問するのもわかる。でも、いきなり「一生食ってける技術を教えて」は、まあ随分と色々と考えていたのかな、とその質問をしようと思い至った経緯の方に関心が行ってしまう。

  • 正面から答えるなら
    エンジニアに必要な技術のスキルには、2つの種類がある。問題を解決するための適用する技術スキルが1つ。もう一つは、問題を解決するためにアプローチする基礎スキルだ。技術スキルには、方法論、手法、言語などがある。後者には、課題設定、分析、課題解決の推進、チームビルディングなどがある。
  • オフセットするなら
    「一生食ってける技術を教えて」と知りたくなった背景をまず、教えて。どうして一生食っていける技術を知りたくなったのかが知りたい。今、これから技術を覚えたいのに、沢山の技術の情報があり過ぎて選択に困っているのか、それとも今従事している業務の技術に将来性を感じられないからか、それとも担当している事業の終了を知らされて途方に暮れているのか、それともやることが多くて新しい技術を追えなくて、あまり使われない技術は極力避けたいのか。
    質問に質問で返すのはアレだが、どうしてそう思ったかを教えてもらえると知りたい質問に答えられるかもしれないのでね。
  • 煙に巻くなら
    「一生食ってける技術」とは、いわばNo Silver Bullet(銀の弾)の発想だ。これを持っていれば、すぐに役立つ技術や特効薬になる、的なものはこの世には存在しない。フレデリックブルックスが言っていたじゃないか。知っているだろう。今まで存在しなかった。でも今は違う。質問しているあなたが銀の弾かなんじゃないか。どうだい、そうなんだろう。

 

 

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