エンジニアに悪魔は手軽な達成感ばかり囁く
某所で某エンジニアが参画して数ヶ月が経ったころ、そのエンジニアの評判がすこぶるよろしくない。理由は採用したときに、担って欲しいのは業務システムの改善で、他に運用サポートも期待していることを伝えていたらしいのだが、蓋を開けてみれば、肝心の業務システムの改善は一向に進捗していなかった。
某エンジニアはポテンシャル採用でもなければ中堅層のエンジニアとしてでもない。相応の、自走できるエンジニアとして採用されていた。つまり、結果を出して欲しいところは、業務システムの改善でだった。
某所はフラットで、トップまでの声が上がりやす文化であったから、システムのオーナチームから上にクレームが上がる。それはそうだ、人は増えたのに改善しないのだから。
期待されている間に某エンジニアは何をしていたか。
目の前で困っているユーザの運用サポートばかりしていたのである。
色々とそうなってしまったカラクリはあるらしいのであるが(色々と聞いていて一方的に某エンジニアを責めるのは違うと感じた)、エンジニアとして何に対してコミットして結果を出していくかを再認識することになった。
悪魔の囁き
本来、期待されている業務システムの改善ではなくて、運用サポートばかりしていたのは某エンジニアの耳元で悪魔が囁いていたのではないか。
では悪魔は何を囁いていたのだろうか。
- 目の前の困っているユーザをサポートすると達成感を味わえるぞ
- 怒られていないのだから業務システムの改善はまだ手をつけなくていいぞ
- 楽な方の仕事をしよう
天使の不作為
悪魔がいれば天使もいるはずである。天使は訴えていたはずであるが声は届かなかった。
- 期待されている業務システムの改善を始めよう
- 時間の配分を変えよう
- 自分で成果のある仕事を選ぼう
仕切り直す
そこでは、成果に対する対価は割と厳格で技術レベルに応じた対価を支払うと言っていた。つまり、どれだけ技術レベルが高いと主張しても、仕事内容が易しければ成果に対する対価も相応らしい。だから、本来期待していると伝えている業務で結果を出さないと困ってしまう(成果に応じて見直さなければならない)。
- 事実としてあったことを冷静に確認する
- どうしたいか実現したい将来を合わせる(袂を別ちたいわけではないはずだ)
- 双方の期待値と対価を出し合う
- 短期間の目標とチェックポイントを設定する