あなたの業務改善は業務のほころびのITパッチワークでしかないのではないか
業務の機械化、今ではITに置き換えるには2つのアプローチーがある。ちなみに、置き換える手段はなんでも良い。ガッツリとスクラッチでコードを書いてもいいし、サクッとSaaSでやれるならそれでもいいし、RPAでハンコをペタペタと押させてもいい。
そのアプローチの1つは、業務担当の困っていることを単純にITに置き換える方法だ。計算ミスが多くて月末月初になると残業が多いとなれば、集計を人手からITでルールをコードで書いたプログラムに置き換えるかもしれない。
転記が多くてミスが頻発しているなら、転記をしなくて済むようにデータを繋ぐかもれない。
よくある業務改善の風景である。こうした解決は単にToDoをこなしているだけで、業務のほころびをITでパッチしているようなものだ。
業務にパッチばかり当てる仕事ばかりしていると、エンジニアの仕事は要件は業務サイドから明確に出てきて、ToDoをITで業務のパッチを作る下請け作業が仕事だと身に染み込んでしまう。
こうした考えが身についたエンジニアは、得てして『業務改善が好きだ』『現場の課題を解決することは役に立てるので続けたい』という傾向がある。
そうした志向は良いものかもしれない。
しかし、これでは一向に業務の不具合をITで繕っているだけでしかない。本当の業務の機械化でしかない。
こうした業務の機械化、業務の不具合のパッチばかりでは、ITの利用者である業務の担当者にITに接する時間を増やしている反面、ITで業務を良い方向に変化させるという観点は一切ない。
業務を機械化することの価値を作っているのは業務の担当者であり、パッチ作りをしているエンジニアは仕様に基づいて業務パッチを作る下請けでしかないのではないか。
エンジニアなら、ITを使うことで業務を良い方向に変化をさせたい。