BCP はどこまで必要か

大手ならBCPと称して初動対応の安否確認や事業再開のため事業復旧計画を整備していたりする。よくよく考えると、無駄なことなのではないかと頭をよぎる。

などと書くと、

・何をいっているんだ社員の安全を確認するのだから社員に優しいじゃないか

・事業再開に社員がいなければ業務を回復できないじゃないか

こんな声が聞こえてきそうだ。

そもそも初動の安否確認は何のために行うか。目的は、事業再開のための社員というリソースの確保である。例え事業場が被災し、修繕をしなければならなかったとしても、事業再開の段取りを組み、速かに事業再開を目指す。社員生命の確認をしてよかったね、で終わることはない。その辺りの一連の流れはちょっと検索すれば政府の資料などにたどり着ける。

だから、安否確認を行う。

安否確認システムは、いざという時に使うものだから、日常の業務の中で訓練する。それは訓練の災害発生通知を送ると、他部署よりいかに速く部下が生存のレスを返すかを競う。

ところで、災害が発生するときどこにいるだろうか。事業所にいるとは限らない。外出先かもしれないし、移動中かもしれないし、自宅かもしれないし、海外出張中かもしれない。3.11のときはどこにいただろうか。

あのときは偶然身体に怪我を負わなかったかもしれないが、深夜自宅だったらタンスの下敷きになっていたかもしれない。気のみ気のままに避難するかもしれない。

そのとき、安否確認の通知が届いたとしても、それに構っていられない。優先すべきは生命の安全の確保だ。

とするならば、安否確認で競うのは意味がない。

ところで、社内の業務システムや事業用のシステムがクラウドに移行していたらどうだろう。事業再開にそもそも人を確保する必要があるだろうか。データセンターであれば関東大震災を想定したファシリティが整備されている。少なくとも自社よりは安全だ。DCがやられたら、どうしようもないし、そもそもGCPawsも似たり寄ったりではないか。

働き方改革でどこからでも仕事ができるなら、ネットさえ生きていれば良いのだから、業務は継続可能だ。紙手続きの労務などは多少影響あるかもしれないが、被災地全て同じだ。

業務システムがクラウドなら、事業再開はシステムの死活監視で済んでしまう。

安否確認も関東大震災級が来たら後回しだ。

被災は実際起きてみないと計画は立てても無駄だ。

チームのslackチャンネルで安否確認確認で十分かもしれない。