トラブルを経験している人は、人を疑う前に自分を疑うものです
「あの、通信できないんですけど。先週までポート開いてました。勝手に閉じられたみたいです。」
「作業が進みません。」
「えっと、そのポート、設計書上は使っていいポートなのかな。」
「わかりません。」
「ちょっと待ってください...。最新の設計書では使うとしているのはこれとこれで...。」
「じゃあ、それは勝手に閉じじゃったんじゃなくて、正しい状態になっているじゃないのかな。」
「...。」
「そうです。」
「で他のやり方は。」
「こっちでできます。」
「じゃ、それで。」
これ一応ワタシ入れて3人での会話なんですが、1名思い込みが強いというか...。一度体験したことが正だと思ってしまうのも人の特性としては仕方がないと思うけれどねぇ。それでも、前回経験したことがいつも得られるとか、それが正しいなんておもうのは子どもや年寄になってからだけで十分です。
それもエンジニアなら、今今の時点であるべき姿を自分で確認して現場に行くもんじゃないのかな。“ハダカ突撃”するなんて「バカなの死ぬの?」って言われても抗弁する資格なんてないんだよ。
しかし、なんで今の環境を確認しようと思ったりしないんだろう。今いる位置を確認したくならないのかなぁ。それが不思議ちゃんです。
トラブルに巻き込まれたとき、必ず、まず起きている事象を事実のままに押さえないといけません。それがなぜだかわかりますよね。そう、事実だけなら誰にも曲げたり私見を織り交ぜることができないからです。事実だけを最初に押さえるのは現場に赴くエンジニアの基本です。事実を画面やログで積み重ねて、時系列に整理したあと、初めてエンジニアとしてのあなたのスペシャルな技術の登場なんです。それまで、事実を押さえるまでは、私見はひっこめておく。そうしないと、あとで痛い目にあいます。特にトラブルの渦中なら言わずもがな、です。
その上、他人が悪いなんて疑いをかけてそれがこっちの間違いやら思い違いやらだったら、一体どうごめんなさいしたらいいのか。トラブルの渦中なら時と場所によっては殺伐としていますよ。そんな中、「いやー勘違いでしたー。」って言えるの?ってことです。そんなことしたら、次協力してくれないですよ、誰も。
プロジェクトでさまざまなベンダが寄り合っているなら尚更です。お互い様だと思っているからトラブルに文句は言わないし、場合によっては協力もしてくれるというものです。それが、一方的な思い込みなんてねぇ。今回は気づいたからよかったですが。
まぁ、今回は現地に行かせたメンバをまだ信用していないから、ってところにまだワタシがポジションしているから気付いたのかもしれないです。もし信用しきっていたなら、「(ありゃー言わなきゃ)」って思ったかもしれないし。
なので、人に指を向ける前に、自分に向けて取りあえず、確認しましょう。それからでも遅くはないです。まずは人を疑う前に自分を疑う。それでも他人だったら、「これちょっと変なんですけど。」って言っておけばいいんですから。