提案の特徴は代替案から生まれる

ワタシ「営業さん、この見積り資料の、そうそう、ここの数字間違っていませんか」
営業 「あ、本当だ。SEさん、この工数の数字、どっちが正しいんですか」
SE  「ちょっと待ってください。えっと、前回の見積りがこれで、今回は要件が変わって増えたのと減ったのがあって…」
営業 「…」
SE  「やっぱり間違っていました。ご指摘の通りです」
営業 「じゃあ、費用も変わってくるんですね」
SE  「そうですね」
営業 「それではこの費用と利益で」
ワタシ「ちょっと待ってくださいね。うーん、前回の利益より悪くなるんですか。なぜですか」
営業 「あぁすみません。計算間違いしました。利益は同じ率で出るようにします」
ワタシ「数字はよく確認してくださいね。それではこの数字で確定、と」


excelの表で計算されていると計算式は、excelで式を表示しないと計算間違いはわかり辛いです。
見積りやプロジェクトの費用の計算は注意が必要ですね。

営業 「すみません、先日見ていただいた案件ですがお客さまから追加要件があってもう一度見て欲しいのですがお時間いただけませんか」
ワタシ「スケジューラで空いているところなら構いませんよ。予定を入れてください。そう、前回との差異がわかるようなチャートを1枚入れてくれませんか」
営業 「わかりました。差分のシートですね」


差分表は手間ですが、違いを理解するにはとても有効です。

営業 「お忙しいところすみません。それでは前回の案件の再レビューをお願いします」
SE  「お客さまから要件が3点追加であったのでそれを対応します。1つ目が…2つ目が…3つ目が…」
ワタシ「なるほど。それで費用はどうなるんですか」
営業 「お客さまの予算がキビしくて提示価格は同じで出そうかと」
SE  「技術側としては、費用を載せたいのですが営業さんがウンと言ってくれないで困っているんですよ」
営業 「だってお客さまの要望なんだからしょうがないじゃないですか」
SE  「必要なものは必要なんです。赤字になっても知らないですよ。見てくださいよこの差分のシートを」


案件を取らないとビジネスになりませんが、だからと言って追加費用が必要な場合に費用を考慮しないというのはいただけません。
それに追加要望が増えたのに、提示価格が変わらないのでは、なぜ変わらないかを説明を求められるとき整合性のある説明ができません。

ワタシ「SEさん、3点の追加をもう少し詳しく」
SE  「1つ目は…2つ目は…3つ目は…
ワタシ「リスクはどう変わるの」
SE  「要員ですね。特に2つ目の要件が特定技術の人が必要なので」
ワタシ「その人のあてはあるの。だいぶ先の日程だけど」
SE  「なんとも言えないですね。候補者はわかりますがとにかく先なので」
ワタシ「まぁ、時間的な余裕はあるのでそれは考慮から外すとして、工数も必要なんだよね」
SE  「そうです」
ワタシ「その費用はちゃんと入れてください」
営業 「それだとお客さまの要望に応えられないので困ります」
SE  「掛かるものは掛かるんです」
ワタシ「そういう話はここに来る前に自分たちで片付けてから来てね、といのは酷なので。コストは計上すること。要望する提示価格を超えた分に相応のSEとして不要と思う要件を提示する案も作ること。営業さんは、お客さまがなぜその金額を上限としているか聞いてくること」
SE  「そんな手間なこと…」
ワタシ「取らなくていい案件ならそうしたら。でも、取らないといけない案件ならそれじゃダメだよね」
営業 「午後に別件で会うので、予算の話は聞いてきます。こっそりと」
ワタシ「SEさんはどうするのかな」
SE  「わかりました。用意します」


一旦出した提示価格に要件が増減する場合、相応に費用も変動しますから提示価格も変わるものです。QCDやリスクの観点で費用に反映するのはもちろんですが、その案件をビジネスにしたいのか、お付き合いで出せばいいのかでそのあとの対応が変わります。取る案件なら、条件を満たすか代替案を検討しましょう。代替案が提案の特徴になる場合が多いです。