優秀なメンバには一つ上のリソースの掛け方が必要なのです


優秀なメンバは放任しておいていいよね?
優秀なメンバは手間がかからないように思いますよね。だって仕事をぶりを見て仕事ぶりを優秀だと評価しているわけで。


だから、経験の浅いマネージャやプロジェクトマネージャはついつい仕事ができるメンバを放任してしまいがちです。過去の結果を、出来を見ているから「お任せ」状態にしてしまうのです。


でも、それでほんといいんですか、という話です。確かに、確実に結果を出してくれる中間層や重点的にケアをしないと危なっかしい育成対象の層と比較したら「頼むからやっておいてくれ」と言いたくなるのも仕方がないかと。


でも、でもそれでいいのか、と。


優秀なメンバは手間が掛からないという誤解
優秀なメンバの優秀はマネージャやプロジェクトマネージャごとに微妙に違うと思いますが、ここでは期待するアウトプットを出してくれる、リーダシップのある、特性を持っているメンバとします。


優秀なメンバとは対極にいる中間層や育成枠のメンバはより具体的に期待を説明し、作業を指示し、結果を確認する手間がその層のレベルで必要になるわけです。


簡単に言えば、層のレベルでかける手間が多くなる、ということです。逆の視点で見たら、優秀なメンバはほとんど手間がかからなくなるということです。


手間をかけないといけない層と手間を掛けなくてもいい層。これを手間をかける側のリソースの観点でいえば、一定のリソース配分をどうするか判断をしなければならないということでもあるわけです。


仕事っぷりと期待するアウトプットのレベル、そして掛けられるリソースの限界も含めて、結果的に優秀なメンバは「放任」という形になっているのかもしれません。


優秀なメンバこそ手間をかけないといけない
優秀なメンバは優秀なだけあって、仕事もしっかり期待どおりに出してくれます。進捗も難易度を物ともせずに納期にスッと合わせてくれる。日々感謝です。


でも、優秀で自分のスケジュール感を持って仕事をキャリーしてくれるから、自分でバファーを持っているんですね。ここで色々先行きを考える。これからどうしようか、と。


優秀なメンバは仕事が難しければ難しいほど完了するまでに仕事の工夫を続けるし、自分の中に仕事の面白さを見つけるんですね。そういう特性を持っている。


だからこそ、単調で単純な仕事ばかり任せていると飽きてくるんです。仕事をとおして得られる成長が感じられないですし、達成感という満足を得られにくいですから。


そんなことが続いていたらどうなるか。いつの間にか退職届が出されていることでしょう。


仕事を振って放置していたら青天の霹靂のようなものです。そして困るのはマネージャやプロジェクトマネージャです。だって当てにしているメンバなのですから。


雑談の中で濃厚なキャッチボールを仕込む
でも、現実にはリソース配分から掛けられる時間が一番少ないのも事実です。そこを変えてしまっては作業品質の危なっかしい層から崩れてしまいますから。


そこで普段の日常の会話のなかで、それも雑談の体をしたコミュニケーションのなかで、いま関心を持っていること、これから挑戦したいこと、こちらの期待を潜り込ませて反応を聞くのです。


日常の会話のなかでドッキリとさせる。関心を持っていることを示す。ポーズは大事ですよ。


優秀なメンバは掛けるリソースのレベルが違うことを示す
優秀なメンバだからこそ、放任していることはないんだ、と他のメンバとは違うコストをかけていることを示すことが大切です。


だって、優秀なメンバですから仕事上のアドバイスだって簡単なことはないですよ。より難しいケースに対するアドバイスが必要だったり、より先のリスクを検知したことを示すことが優秀なメンバに対しての育成となるのですから。