システムエンジニアにデスマは必須科目か


ベテランのシステムエンジニアというとちょっと感じ方が違うような気がしないでもないけれど、いわゆる中年のシステムエンジニア層の人たちとの会合になると、武勇伝のつもりか認知症か何かか知らないけれど必ず出てくるのがトラブルプロジェクトの話ですよね。あっ、はい、って言いながら聞くやつ。


どっちかと言えば、ワタシ自身もそっち側ではありますけど。ただ、聞かれないなら自分から話はしないかなー。若手の人がワタシに興味を持って何をやってきたかを聞かれたときとか、中堅の人たちがキャリアパスの話をふってきたときとか。


デスマなんて武勇伝にはならないですよ。ほんと。


でも、1つだけいいところがあるのは、いいところなのかどうかはその人次第だけれどね、全力で仕事をやってみる経験をしやすい環境に置かれる、ってところでしょうか。その1点だけ。


ワタシの知っている限りのトラブルプロジェクト、つまりはデスマーチプロジェクト、デスマな訳ですが、だいたいこんな感じですよね。


・勤務時間が長くなる
・場合によっては徹夜も
・実現性のないスケジュール
・プロジェクト至る所でのコミュニケーショントラブル
・当たり前のことをやっていないプロジェクトマネジメント
・誰もボールを拾わない
・スキルミスマッチ
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そんな中で経験できることは1つだけ。

「自分自身の全力ってどこなのかを試すことができること」


自分が全力を出したときの限界値、閾値って知らないものなんですよ。だって、いつも全力を出していたら壊れちゃうもん。


だからこそ、どこまでが安全なゾーンで、どこからが気をつけないといけないゾーンなのかを知らないと危ないんですよ。逆の見方をすると、自分自身の閾値を知らないということはコントロールできる範囲を知らないということですからね、安全、安全なゾーンの中でしか動かない訳です。


そんな中での目標は現状とほとんど変わらない訳で、成長もへったくれもないんですよ。なにより大変な経験ばかりして何も残らない。


いいですか、デスマをしたのに何も残らないんですよ。いいんですか、そんなので。


だいたいそんなプロジェクトなんて技術的にもクソプロジェクトじゃないですか。技術的にいけていたらデスマになる要素が1つ減るんですからね。そうしたら、残念なデスマーチプロジェクトにアサインされたら自分を成長させるくらいしか自分自身へのお土産がないんです。


だから、閾値を試してみるのはいいと思うんですよね。ここまで出来たけど、ちょっと注意散漫になるからこれ以上は危ない、とか。そういう場でしかないんです。デスマは。


とはいえ、そういった閾値を自分に試すの、デスマである必要はないんですよね。ただ、環境的に作るのは難しいかも。他者からのプレッシャーとか。でも、無理してデスマでやることはないですね。試し方をミスるとやばいですからね…。


ということは、普段から限界値を試す訓練をしておかないと急にデスマに放り込まれたら危ないってことですね。上手に訓練しておきましょう。デスマを回避するためにも。