アウトカムで目標を設定するという新しい考え方
通常、目標管理制度などでは年度の目標を立て、設定した納期を目指し、活動の成果をアウトプットすることで、期初の目標と期末のアウトプットを比較することで業績評価を行います。
端的に言えば、活動から生み出すアウトプットを評価しているわけです。こうした考え方は、業績に対する評価制度としては適当かなと思うのですが、キャリアプランにおいて同じように活動をとおしたスキルの伸長ではスキルが有形でない分、救えきれないなぁと思っていて、有形でないからこそ運用で対処するしか手段がないかと思っていたのでした。
アウトプットでの評価
設定する目標に対し、活動を経てアウトプットで評価をすることは従来の目標管理制度の基本ですし、アウトプットで言い表わせる有形の生産物を評価すること自体はとてもわかりやすく、評価が合意しやすいです。
アウトプットで言い表わせるということは定量的であると表現できます。数量、時期、諸元など誰が見て比較しても同じ尺度で生産物を評価できる特性を持っているのです。
ところで、以前のエントリで目標管理制度では定量的な目標に少しだけ定性的な目標を入れておく方が評価者にとっても評価の幅を持たせられるので好ましいと述べていました。
この定性的な目標を新たな基準として持つことでより適切に運用できるようになります。
アウトカムでの評価
ここでのアウトカムは
「活動によってもたらされる効果」
として捉えます。
効果とは「働きかけによってもたらされる望ましい結果」の意がありますから、目標設定により取り組む業務活動によって望ましい結果を得られていれば成果として評価できることになります。
望ましい結果がある以上、現場は望ましくない状況であり、望ましい結果とのギャップを捉えることができることになります。つまり、活動による効果測定ができるようになるということです。
こうしたアウトカムによる目標設定は、活動による効果を望ましい結果として捉える必要があり、定量的な目標よりは活動により影響を与える対象と影響を与える事象の仮説検証をする必要があり、よりレベルの高い目標と位置付けることができます。
ロジカルシンキングなどの仮説検証型のスキルの育成機会を設けたい、自ら創出したい場合は、アウトカムでの評価を前提とした目標設定をすると良いでしょう。