進行を妨げるステークホルダーは同じ船に乗せてしまえ
ステークホルダーの多い会議体を1人のメンバに任せているのだけれど、だいぶ難儀をしているにも関わらず思うように進捗しないように見えたので声を掛けてみたんですね。
もちろん、報告を受けている範疇では把握していたし、ステークホルダーについては先の別案件でコントロールしていたのでどうってことはないと思っていたんですけれど、エンジニアは専門性を持っているので全員が同じようにできるわけでもないですから。
あなたがしなければならないこと
担当する案件のリーダですから少なくとも納期には何かしらの活動の成果を出さなければなりません。もちろん、案件で掛けられるコストは決まっており、出来栄えも案件をスタートする際に設定した品質特性を持っている必要があります。
それはさておき、現状は検討テーマをagendaにすればステークホルダーは好き勝手に発言して収拾が手に負えない状態です。
そうした状況であなたは何をしなければならないか、あなたのToDoを書きなさい。
ステークホルダーはなぜ関わってくるかを知る
ステークホルダーが好き勝手に場合によっては大きな声で発言することは進行に協力してくれるのでなければ、好ましい状況ではありません。案件で期待する役割を演じてもらわなければなりません。
誰かと共同作業をする場合、共同作業を構成するリソースに対して何かしらの期待をするものですし、作業分担をするためにリソースと対価を交換するのです。プロジェクトであればこの関係性が成り立ちますが、ステークホルダーについてはコスト負担をステークホルダー自身が持つこともあり、プロジェクトと同じ構造にできないというケースがあるのでちょっと考え方を変える必要があるかもしれません。
ただ、ステークホルダーもその案件により将来の利害関係が生じることを想定しているためにリソースを持ち出してまで関与していることを把握していればそこがステークホルダーのウイークポイントであり交渉のバーターの源泉になることを押さえておきましょう。
ステークホルダーに期待を示す
ステークホルダーは案件の正に利害関係を持つ登場人物ですから案件のリーダとしては期待するとおりの活動を分担してもらわなければなりません。期待することがあるのであれば明示的に示す必要があります。ステークホルダーも案件の他のメンバと同じなのです。
ステークホルダーの利害のためにも案件のSOWを作りましょう。意思決定に関わるのか、案件の一部作業、例えば情報提供や案件の広報と明確に示します。
好き勝手に話すことを制限する
ステークホルダーには将来の利害関係があるため我田引水のためにときには大声でときには傍若無人に進行を中断するように好き勝手をすることもあります。
そうならないためには、話す時間を区切る制限をかける必要があります。発言を遮ると遮った人に対し負の感情を抱くので、各人の発言を個別に制限するのではなく、全体としての枠を嵌めることで討議メンバ全員で自制が働くように仕組みを作ります。
そのためには、
・案件全体のスケジュールを毎回見せて刷り込む
・各回の討議テーマを予め決めておき、討議時間を可視化する
・agendaでテーマの目標、ゴール設定、意思決定できない場合の影響を理解させる
・ゴールにそぐわない発言は参加者全員が注意を促す
の4点を案件が終わるまで続けることで仕組み作りが作れます。
これによりステークホルダーを自陣側に引っ張り込み、同じ船に乗せてしまうんです。同じ船に乗ってしまったら目的地に到達するまでは降りることもできませんし、協力するほかありませんから。