頭の回転の速いエンジニアと仕事のできるエンジニア
基本的に周りを見るとほぼ、いや100%学歴で言えば周囲の方の方が偏差値の高い大学や大学院を出ているエンジニアばかり。
みんな勉強したんだなーって思う。
もちろん、彼、彼女らは勉強をしてきているので頭の回転は速い。めっちゃ速いしこちらが知らないことを知っている。
専門が数学科の同僚は、頭の中がどうなっているかと不思議なくらい。頭の回転の速さに口がついていけていないくらい。
でも、頭の回転が速いエンジニアが仕事ができるかどうかというとこれまた別の次元の話になってくるところが、仕事って面白いというか、エンジニアの仕事だからこそ面白いと思う。
技術スキルと基礎スキル
エンジニアの育成の観点の話をすると、エンジニアとしてシステムを実装するための方法論や技術の領域のスキルの技術スキルとエンジニアとしての仕事を推進するために必要なスキルの基礎スキルの二つがある。
頭の回転が速いエンジニアは前者の技術スキルの習得も速いし習得レベルも高い。ところが不思議なことに仕事を推進するために必要な基礎スキルはそれほどでもない。
とても不思議。
まあ、天は二物を与えず、なのか頭の回転が速くないワタシのようなエンジニアに生き残る余地を作ってくれているのかと思うくらいに。
部下の目標設定ではそれぞれのスキルエリアのどこをフォーカスして伸ばすのかバランスを取りながら選択させるのでそのうち抜かれるんだろうな、なんて思わなくもないけれど、それはそれでステップアップした部下を見て育成方法があっていたんだと検証できたと思えばいいかと。
仕事のできるエンジニアの特徴
頭の回転は速くなくても仕事のできるエンジニアはいて、そういったエンジニアの仕事にはいくつかの特徴がある。
合格ラインを目指す
仕事に100点はない。合格ラインはある。システム開発で言えば、要求品質は合格ラインであって、必要以上の品質を実装しても価値がない。やるだけコストの無駄である。
仕事のできるエンジニアは、最初に合格ラインを確認してそこを目指す。一方、頭の回転の速いエンジニアは出来てしまうのでオーバースペックで作ることが多い。
もっと楽をしたらいいと思う。楽とはものづくりもあるが作るときの手間とか作った後に手間がかからないようにしておくとか。
いつも考えている
仕事のできるエンジニアはいつも考えている。ライフワークバランスとかオンオフ切り替えなんて言っているが、バブルの時だってプライベートとパブリックは分けるものだと言っていた。それがバブル崩壊後20年の間、オンオフなんて言ってられなくなっている。
働き方改革と言いつつ、オフィス面積削減、リモートワークと仕事と私生活の分離を曖昧化が進んでいるだけで、退化しているようなものだ。
そうした背景とは無関係に仕事ができるエンジニアは仕事をしている。仕事ができるエンジニアはオンオフなんて関係がなく、ただいつも、断片的にでも考えている。
考えているからこそ、いつでも柔軟に対処ができている。それが仕事ができるように見えているだけなのだ。
まあ、他にもあるのだろうけれど。頭の回転が速くないと自己否定する必要はないし、将来を悲観することも必要ない。ただ、続けることはしておこう。
会社というモンスターが、僕たちを不幸にしているのかもしれない。
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