組織の冠を外したとき、自分を『高く』売れるか
これまで自分の転職に対するポジショントークをするのであれば、会社を変える転職は最終手段(ブラックは別)で、まずは組織の中での組織内転職、それもエンジニア(例 アプリ)→エンジニア(例 インフラ)で仕事を変えるということと仕事を変えた後の自分自身の環境変化への順応性の閾値や関係性の構築能力を知るのが良いとエントリでも書いてきた。
一方、いつでも所蔵する組織の冠を外して、市場で『高く』売れるエンジニアであり続ける必要があることも主張してきた。
なぜ、組織を跨る転職は進めないのに、所属する組織の冠を外しても売れるエンジニアでなければならないと言うか、その背景を簡単に書いておこう。
入社した組織が合併や資本参加などがあり、所属する組織は自分の意思とは別のところで変わっていくのだ、と言うことを学んだ。企業価値を高めるために経営者が事業をあれこれするのは当たり前であるのだが。
もう一つは、バブル崩壊を読めずに採用した結果、赤字転落で希望退職を募った経緯があり、やはり、自分ではなんともし難いところで組織は動いていると言うことを学んだからである。
これらのことから学んだことは、組織は組織の都合で変わっていくので「自分を預けてはいけない』と言うことである。
言い換えれば、(組織に属するが)組織をあてにしていると痛い目にあうリスクをエンジニア自身がホールドすることになる、と言うことだ。
そうしたリスクがあるのだから、エンジニアは所属する組織の冠が組織の都合で外れたとき、市場で自分を『高く』売る技術を持っていなければ、全く売れないか、叩き売られる状態になることを予見しなければならない。
なんだか矛盾していると感じたらそれはそれで正しい。転職するくらいなら組織の中でにしておけ。一方、組織なんていつ無くなるのかわからないのだから、いつでも市場で評価されるようにしておけと言っているのだから。
ところで、ここ最近、少しだけこれまでの主張を変えようと考えに至るようになった。マネージャの経験をそこそこ積んできたところで、開発部門のエンジニアの育成や事業を新しい場所でやってみたいと思うようになった。ベンチャーで数十人のエンジニアの規模になると、エンジニアのキャリアとビジネスを両輪としてマネジメントする必要が出てくる。そうしたオファーがあれば、そういった機会でこれまで経験した知見を出し惜しみすることなく、活かしてみたいと思うようになった。
まあ、自分の年次が進まなければ経験していないことがわかるから、そういったこともあるのかもしれない。いづれにしろ、自分の考えを柔軟にすることにした。
ただ、上述している組織内での転職や市場でいつでも『高く」売れるエンジニアであり続けることの主張は引き続き変えない。変えるのはいい感じに経験を重ねたマネージャをそのまま組織の中で滞留させるより、必要とされる組織外で活かす選択肢を持つことが、価値があると思っているからだ。
まあ、それも市場としてニーズがあればである。