今の時代に必要なマネジメントスタイル

ここずっと、マネジメントのスタイルについて考えさせられる機会があるのだが、結論から言えば、『このマネジメントスタイルにせよ』的なことを言う輩がいたらさっさと離れた方が良い。

不確実性と複雑性の高い時代に、これで全部対応できるなんて方法があるわけない。万能は、万能な働きをしない。うわっペリを拭う程度でしかなく、最悪、汚れを広げてしまい被害を撒き散らすだけである。

エンジニアの生産性を高めるために

生産性を高めるためには、まずは惜しみなくHWやSWを揃え、環境に依存する障害取り除くことである。 要は、金で解決できることは札束で解決する。グダグダと高いだの相見積もりを取れなど難癖を言って、マネジメントがエンジニアから生産する時間を奪うのは本末転倒でしかない。

次にエンジニアが生産するための時間をチャンクになるような仕事の仕方ができるように環境を作る。

エンジニアに自律性を持たせるために権限を委譲する。委譲しまくるために、組織の判断基準に基づき、マネージャが請け負える(腹を括れる)範囲(=権限、分掌)で、判断基準を明確に示す。

これだけで良いのはないか。

必要なマネジメントスタイルは

 ではどのようなマネジメントスタイルが必要か。

HWやSWの環境の件は、トップダウンで決めないと意思決定に時間がかかる。トップマネジメントが『業務で使うなら好きにしたらええ』とすれば、悲しいかな、組織文化の中での常識の範囲でエンジニアは意思決定する。

稀に、突拍子も無い価値観を持っているエンジニアもいるがそう言ったエンジニアは思考に芸術肌の要素を持っているが、そう言ったエンジニアは稀なので相対的には誤差の範囲でしかないため、問題にならない。自分で決められないエンジニアは先行するエンジニアを真似る。結局、平均的な数字になるだけだ。

エンジニアが生産性を確保するためのチャンクの時間を確保するには各所へ事前調整しておく調整型のマネジメントスタイルが必要になる。まあ、筋を通しておけばいいだけというか。ネゴシエーションができれば良い。

エンジニアに自律を自覚させ、実行させるマネジメントスタイルは、サーバントリーダシップが必要になる。エンジニアがあれこれしている間は、黙って見ているか、エンジニア自身が気づけるようにヒントがある場所に連れていくだけだ。

結論

全部必要である。全部必要であるが、置かれる状況により、適用するマネジメントスタイルを使い分けなければならない。

サーバントリーダ シップを発揮するためには、バックグラウンドとしてエンジニアが自律性を行使出来るための組織の文化のインストールが済んでいなければ成らない。つまり、マネジメントは、組織文化にトップダウンでサーバントリーダシップが円滑に機能するための環境づくりを一貫して置かなければ成らない。

そして作られた組織の環境が期待するように運用されるために、調整型のマネジメントスタイルを発揮しなければ成らない。

結局、1つのマネジメントスタイルだけでは今の時代にマネジメント自身が生存し続けることができなくなってしまう。

そう言った1つのマネジメントスタイルだけしか持ち合わせていないマネジメントは老害としてエンジニアの前に憚るのである。

 

 

マネージャーの問題地図  ~「で、どこから変える?」あれもこれもで、てんやわんやな現場のマネジメント

マネージャーの問題地図 ~「で、どこから変える?」あれもこれもで、てんやわんやな現場のマネジメント