転職できる技術を身につけておく
自分は転職を薦めるか転職を薦めないかと訊ねられたら、我慢をしていなければわざわざ転職することは薦めない。何か理不尽なことがあって、我慢をしているのでなければ。
では、安穏と与えられてた仕事をしていればいいのかといえば、それは違うと思う。
経営者は、いつ経営判断のミスを犯すかエンジニアにはわからない。気づいたときには
岐路の選択を迫られることだってある。だから、エンジニアは高く売れる技術を持っている必要がある。このことについてはこれまで何度か書いてきた。
書いてきたことは、自分の技術は自分でしか育てられないのだから、自分のリソースを使って継続的に技術を更新しなければならないということだ。
ただ、エンジニアが所属する会社を辞め、他の会社に移る理由は、何も理不尽なことを押し付けられ、我慢ならないからばかりではないと思う。
経験してきたことの延長線上にやりたいことがはっきりと見え、今のキャリアではそれを実現する可能性がないと見切れれば、それを実現できるところへ移ることだって一つの理由だ。
でも、多少の理不尽さはどこでもあるだろうと許容し、安定した収入を得ておきたいという理由もあるだろう。
ゴールデンサークルという手法がある。3重輪のそれぞれにwhy,how,whatを中心からプロットする。文字で表現すると ( ( ( why ) How ) What ) な感じになる。
whyに実現したいことが当てはまり、手段に転職、whatに実現できる仕事に就く、を入れれば良い。
もし、転職しようと思ったエンジニアは、whyを明確にしておこう。転職は手段でしかない。同じように理不尽な環境に置かれているエンジニアもwhyでなぜその仕事を続けるかを自分に尋ねてみよう。
人は思ったより、ぼーっとして生きていることがわかる。
転職もいつの間にか、転職することが目的にすり替わってしまうと、実現したいことを遠回りする選択をしたり、年収を下げてしまったりする。そんなふうに、流されて判断をすると 前の方がよかったと後悔する。確実に。
どこの会社で働こうと思っても、理不尽なことはある。ただ、どこの会社で働くにしてもそれを超える何かがないと続けられない。それを見つけられるのが技術なのだと思う。
- 作者: サイモン・シネック,栗木さつき
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
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