仕事で予習することと恋愛の共通点
先だって、あるテーマで人と会うことになった。テーマ的に先方のことを知っておいた方が良いだろうと思い、その会社の事業やサービス、ロケーション、四半期決算書などを読む時間を作り、読んでおいた。
まあ、お仕事の予習である。
企画業やコンサル業、提案などでは、相手のことを知っておくことは、とても大事なことで、公開されている情報だけでも知っておくことは『あなたに関心を持っている』という一つのメッセージだと自分は思い、やっている。
そうした予習は自然と身についたものではなく、過去にそうした予習をせずに出かけて行き、冷や汗をかいたことが何度もあり、これはやっておかなければ拙いと身にしみて勉強した成果である。
担当エンジニアやリーダ程度ではしなくてもプロジェクトマネージャやマネージャの方を見れば、そっちで答えてくれるからそれでよかった。
だんだんと、場のメインキャスタになると、そうはいっていられなくなる。なにぶん、『お前知っているか』と顔を向ける相手がカウンターパートになるためである。
予習をしていないと、その場で『やべぇ…無理して読んでおけばよかったよ…』という事態になるが、調べる時間を作り、読んでおけば『(それ知ってる)』とそれはすっ飛ばして、話しかけられているテーマの本質がどこにあるか、真意はテーマの流れ的にどちらにあるのか、と考える時間を確保できるのである。さらに、その『真意を探る質問を考える』こともできるようになる。
先方は、課題を持ってこちらを召喚しているので、話したいテーマを先方の言葉で持っている。こちらは予習をしている。そうした条件で話したいテーマを話すとどうなるか。
テーマに集中して話をできるから、テンポよく、会話のやりとりもスピーディに進むのである。そうした会話の印象、特に、初回の印象はとても強く残る。さらに、本音で話をするまで最短で進む。話の終わりに次に会う約束まで取れる。
これ、何かと同じではないか。
そう、恋愛である。
相手に関心を持ち、予習をしておく。予習といっても何もデートコースを念入りに調べあげたりすることではない。相手の知っていることから、想像を膨らませて、関連することをざっとキーワードを押さえておく。
相手の時間をもらえるのだから、相手が関心を持っていることを調べるだけである。仕事の予習であれば会って話したいテーマ(=相談事)が伝えられるものだ。デートではそれはないだろうし、逆にこちら側が会いたいのであるから、会いたい理由はこちら側で作る必要がある。
だから、共通の話のテーマになりそうなことを予習するのである。ただ、先方がその界隈のスペシャリストである(悩みを持っていれば勉強する)ことはよくあることなので、決して場のマウントを取ることをせず(それが目的ではないんだぞ)、聞き手に徹することは、仕事でコンサルや提案をする前のヒヤリングでも大事なコミュニケーションの取り方である。
この、知らないことを知りたいというポーズは、ある意味、弱みを先に見せておくということである。これ、人間関係を醸成していく上でとても大事なことである。
#テストに出でるよ
知らないことを無理に知っている風にするのはコンサル芸であるが、デートではそこは頑張りすぎずに、相手に華を持たせつつも『貴方の話で興味を持ったのでもっと聞きたい』とメッセージすることで『次に繋がる』のである。
さて、なんの話を書いているのかというと、仕事の予習と恋愛は似ているよ、である。
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