リモートワークはしない

既に死語な印象を持っている働き方改革で在宅勤務や場所にとらわれない勤務形態が広まりつつある。ジワリ、ではあるが。

やはり、ITのインフラが整っているIT業界、それもSESのような客先常駐でない本社部門や営業職、サービサーなどの自社でサービスを提供している会社の方が進んでいる。まあ、もともと、仕事自体が他のメンバと疎結合であるからそれができるのであるが。

もう、10年くらい前だと思うが、マネージャとしてあちらこちらのプロジェクトや提案に週の半分くらいで歩いていた時期があった。スケジュールを見れば予定で埋まっており、自席は空いたままで、側から見れば仕事をしているように見えただろうし、当時の本人も仕事をした気になっていた。

あちらこちらに行くとなると、移動が発生するので実はとても効率は悪くなる。正味の仕事時間は減って行く。そうするとどこかでそのカバーをしようとするので無理するのである。

これはダメだな。そう思って、外出における負担の平準化をしたのである。

働き方改革は自宅や事業所に準ずる場所で仕事をすることで通勤時間や勤務時間帯を柔軟にしようというものである(大分意訳している)ので、上述の外出ばかりとはちょっと事情は違う。でも、やはり、移動を減らし、仕事のリソースを確保するという観点では共通的なところがある。

結局は、どちらもやりたいことは『リソースの確保』でしかない。

では、リソースが確保できるのなら、リモートワークでいいじゃないかと思うのは自然である。誰も、1時間も揺られて混雑する電車に乗る必要はない。

実際、リモートワークを広めるには、次の観点での仕事の仕方が必要である。それは、仕事をきりだせるということである。出す方は出す方で仕事の完了条件なりをしっかりと伝えなければならないが、仕事をする側も自分で色々と裁量を持って判断しなければいけなくなる。指示待ちのような仕事しかできないエンジニアにはリモートワークはできない。仕事の先を考えられないからである。

その点で言えば自分はリモートワークすべきなのであるが、1つ問題がある。家では仕事をする気になれないのである。以前、農家の働き方で良くないところは、家と仕事の境界線がないことであると聞いたことがある。1−2分でも場所を移動し、服装を作業着に変えないとスイッチが入らないし、オフれないらしい。

確かに、通勤というよりは、仕事場の方が仕事をする気になる。その点において、自分は仕事場を結局身近かなところに欲しくなる。そうすると本末転倒な気がしてならない。

結局、仕事場に行くか、となってしまう。まあ、通勤さえなければそれはそれで良いのだが。

 

 

職場の問題地図 ~「で、どこから変える?」残業だらけ・休めない働き方

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