エンジニアは猫とする
部下やプロジェクトチームのメンバを自分の視点、役割から見るときにどう捉えるかという考え方は、対象となる人と接する際に大きな影響を見えない形で影響を与える。
乳児・幼児に接するとき、中年以上の年齢層は、誰に強制されることもなく、笑顔で『〜でちゅねー』など語尾が幼児言葉になる。
同じように猫に接するとき、飼い猫であっても全くもって飼い主のいうことに聞く耳を持たないことを理解しているから、猫の要求には素直に応じる。
上記の2つの例では、接する対象を接するものが持っているモデル、属性を外的な情報から認識し、受け入れられる場合、対象の振る舞いが自分に対して不利益が生じても文句が出ないばかりか、好意的に受け入れられるという事実がある。
マネージャと部下、プロジェクトマネージャとチームメンバとの間で起きる問題に、しばしばコミュニケーションがテーマになる。
便宜上、マネージャと部下、プロジェクトマネージャとチームメンバを対向する関係があるとする。対向する関係は、1つの組織、1つのプロジェクトチームになろうと日々現場ごとに活動し、悩みを抱えているのも事実である。それを対向するという言葉が適切であるかは差し置き、一旦はその用語を適用する。
対向する関係でしばしば問題になるのがマネージャやプロジェクトマネージャの立場から見たときの、部下やメンバが合意事項や指示通りの成果を得られないという事象である。得られていない成果は、完了条件を満たさない、リソースの使い過ぎ、納期超過として現れる。
そうした事象はコミュニケーションが原因であり、相互に心理的安全や思考の言語化に依る意思伝達の改善で改善を図ることが提唱されている。
本質はそこなのだろうか。これこそがこのエントリでの議題である。
対向する他人と意思伝達をとるとき、暗黙で省略されていることがコミュニケーションを取ろうとする側にあるのではないだろうか。
コミュニケーションを取ろうと問いかける側は、暗黙にコミュニケーションを取ろうとしている相手に、コミュニケーションをとる側と同じ能力があることを前提としているのではないか。
これで考えるとマネージャやプロジェクトマネージャと部下やメンバ間のコミュニケーションで生じている様々な問題の理由が理解できる。
事象としては、伝える側、受け止める側の双方に問題があり、コミュニケーションストレスが可視化されているのである。その可視化として見えている原因が同じ能力を前提としたコミュニケーションなのではないか、ということである。
課題は、コミュニケーションストレスであり、仮説は、コミュニケーションの双方の能力ギャップを認知することでギャップの低い方でコミュニケーションを取るであり、ソリューションは、コミュニケーションを取る相手を猫と見做す、である。
コミュニケーションを取る相手を乳児や幼児としても良さそうだが、乳児・幼児は成長が著しい。一方、猫はマイペースである。よって、猫の方が適切であると導ける。
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