役職者の意思決定の背景を知りたいときの尋ね方
自分より上位の役職者の意思決定がどう考えてもおかしいと感じることもあるだろう。そう感じるのときは、
- おかしいと感じた自分がその意思決定で不利益を被る
- 役職者の意思決定が判然としない
のどちらかだろう。
前者かどうかを見極める単純な方法がある。
役職者の物言いで即反応していれば、自分に不利益を被ると脊髄反射をしている。作業がやり直しになる、予定していたことに割り込まれる、違うやり方で1からやり直しが発生する。どれにも共通しているのは、自分のリソースを再投下しなければならないということに対する感情部分である。
自分の感情で反応することはよろしくない。それを根拠に戦っても勝ち戦はない。
一方、役職者の意思決定がなぜそうなるのかわからないときがある。まあ、これも自分の身に降りかかって来なければ、関心を1ミリも示さないに違いない。何かしら、当事者として巻き込まれていているときに、たまたま顔を向けたら変なことを話しているのでは、と気づくパターンだ。
役職者の意思決定が判然としないとき、どの様にすればいいのだろうか。
保守的な、旧来の組織構造の場合は、とても聞きにくかったりする。今風のSaaSの組織では、階層はフラットで忖度する様な余裕はないからストレートに聞きやすかったりする。
前者の場合、どう尋ねれば役職者の意思決定の背景を聞くことができるだろうか。
聞く前に、組織のスローガンや組織の目標と一致しているかを確認した方が良いだろう。役職者であるから、組織の目標を達成するために意思決定しているはずである。そう建て付けにする。
その上で、組織の価値観が現れる目標に照らすことでその意思決定により、組織目標の達成に近づくのであれば、役職者の意思決定は明瞭になるだろう。
もし違っていたら、尋ねてみたらいい。
その意思決定では組織の目標は達成されないが、他に意思決定した価値観があるか
と。
もしかすると、気づいていない組織の意思決定の背景にある価値観を知る機会になるかもしれない。しかし、組織の価値観は、基本的に物事を決めるワークフローや承認プロセスとして表面化しているので、そうそう新しいことは出てこない。それが出てくるのは組織の長が変わったときだ。
それで、質問の回答が組織の目標達成とは関連がない別のところにあったと判断されたら、それは役職者自身に不利益が被ることがあったのだと理解すればだいたい間違いない。
もし組織目標の達成とはズレている判断ばかりしている役職者であったとしたら、機を見て移った方が良いだろう。

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