仕事をするときは、いつも終わらせることを考えている

自分の担当する仕事は、基本的に自分で設定した納期か、要請された納期には終わらせることができる。

 

どうしてできるかというと、納期のシビアな仕事なら他を劣後しても全力で片付けに行くし、裁量を持って納期を設定できる仕事なら、自分でコントロールできない分のリスクを期間に織り込む。

 

『それなら誰だって仕事を終わらすことができるじゃないか』と思うだろうけれど、現実はそんなことはない。誰もができるなら、どうして進捗管理をする必要があるのだと、質問に質問を返すことになる。

 

そしてそれは誰も答えを持っていない。

 

自分の仕事をするときは、いつも終わらすことを考えている。これは、プロジェクトマネージャをやるときには、いつもプロジェクトの完了の見通しにフォーカスしているからだ。

 

終わらせるために、どうすればいいか。それを考える。

 

無意識にゴール、完了の定義をする。

どうなったら完了と判断するのか。

コールを実現するアプローチはどうすればいいか。

経験のないアプローチならそれをどうすればゴールにたどり着けるようになるのか。

いつ、そのアプローチを試す機会を作ればいいか。

ゴールを逆算して再現できるか。

再現できると確信が持てるか。

 

ここまでやってはじめて手をつけられる。

あとは、実際にはじめて、ゴールを再現する作業を一つひとつ終わらせる。

1つ、作業を終わらせる。

 

終わらない理由を自分で作ってはいけない。

 

終わらせるために、タスクは小さくする。

 

大きなチャンクのまま、仕事を始めない。仕事がいつまでたっても終わらないエンジニアは、ゴールを曖昧なままに始める。曖昧なゴールは、解像度が低い。手をつけるとまるで転がる雪だるまのように大きくなってしまう。仕事のチャンクは自分に持て余すほどの大きさとなって、自分の思っていたのと違う仕事になってしまう。

 

仕事が終わらないから、その仕事の成果は誰にも届かない。工場で仕掛かりのまま、出荷されない未完成の製品のようなものだ。出荷されるまで、ただ、ひたすらコストだけが積み上がる。終わらないから、価値を持っている製品にならない。

 

仕事を終わらせるということは、結局、価値を創造しているのであり、終わらない仕事は損失を作っているだけなのである。