やりたい仕事何て存在しないけど、ワタシだから任される仕事はたくさんある
「あの、聞いてますか。」
「何を。」
「中堅が一人辞めちゃうんですよ。」
「知らないな。どこの。あぁ、あの子か。」
「次は流行りの技術やっている会社なんですよ。」
「それだとA社とか。」
「お、すごいですね。正解です。」
「広告で露出度あるから印象に残っていただけだよ。」
「どう思います。」
「いいんじゃないの。好きで行くんだし。」
「冷たいですね。」
「そんなことないと思うけどさ。」
「そうですか。」
「たださ、専業の会社に行くっていうことはその専業の技術は出来て当然だよね。」
「そうですね。」
「技術はさ、自分よりレベルの高い人の中で自分の技量を鍛えるならいいんだよね、志向としてさ。」
「あの人たちに追いつこう、追い抜こうのようなものですか。」
「そうだね。それに学びがたくさんあるからそれが燃料になる人にはその環境は堪らない。」
「でもそういった人ばかりじゃないと思いますが。」
「技量を鍛えるか、現状の不満がどこにあるか、で前者か後者に分かれると思うけどね。」
「どう分かれるんですか。」
「自分の成長に不満を持つ、自分をもっと伸ばしたいと思って行動しているか、現状の環境に不満を持って行動するか。」
「どちらが成功すると思いますか。」
「移ることの成功をどう定義するかじゃないの。自己成長なら移った後に学びがあるかどうかだろうし、現状不満は自己の存在が承認されないとまた不満がつのるだろうし。」
「どっちも自分のことなんですね。」
「あぁそうだね。自分のことだ。」
「でも、真逆ですね。その2つは。」
「ワタシはね、仕事なんて技量を鍛える仕事にも環境に不満を募らせる仕事にすることもどっちにも出来ると思うんだ。」
「どうやってですか。」
「自分で仕事に意味づけすればいいんだよ。」
「どんなやり方で。」
「なぜそれを自分がやるか、って。興味がなくなって、技術を覚える、効率的な工夫をする、フローを改善する、とかね。」
「自分がやるための理由づけ、ですか。」
「たださ、生理的にそりが合わない上司とか、はどうしようもないんだな。」