新人研修を丸投げするマネージャの部下は育たない

なれる!SE (13) 徹底指南?新人研修 が出ていたので、ちまちま読み始めています。この「なれる!SE」の1巻がでたときは、何と無く避けて通っていたんですが、読み始めたら全部揃えているという。新人なのに工兵くんのすーぱーえんじにあっぷりが現実離れしすぎているところがいいのかな。あと、ハーレムな職場なのが現実とのギャップで本の中だけは夢を見させるとか。


で、「なれる!SE」ですがテーマは「新人研修」です。2年目で新人研修の先生か。すごいねぇ、工兵くん。部下に欲しいねぇ。もちろん、ワタシの次々世代くらいのイメージで。


そういうワタシも研修講座を持っているのですが、今年は運営方法を少し変えようかと思いっているんですね。何をどう変えるかというと、受講者の「受講目的に対する意識付け」です。やもすれば、例えが悪いですがゲージに入れられた鶏のように目の前に出てきたものをただついばんで終わり、となりかねないかと。自分の課題に対して解決のヒントを得られそうな研修を選び、受講するのであればそういった心配も少ないんですが。新人研修とか、n年目研修とか年次や講座の受講対象から召喚される場合の研修はなかなかそうはいかないですね。だって、「受講してきて」と他人がトリガーとなって送り出されるんだから。


まぁ、何においてもおなじですけど。自分のこととして考えるかどうか。


具体的には書かないですが、研修に送り出す側の期待が少しでもわかるように伝えることと、研修内容で何を学んでくるかを知っているので、知識としてどこかにリンク程度でもしまっておかないと、現場で辛い思いするよ、というところでしょうか。


その上で、キミたち新人は何を知り、何をできるようになり、何ができなくて課題とするか、その研修でどこまで進むのか、そして研修という場を最大圏に生かすために講師にどこまで頼るのか。


まぁ、就活氷河期以降の新人くんたちは地頭がいいのでヒントをあげればそれなりにやってくれると思うんですが。


受講者ばかりをネタにするのもアレなので、送り出す側もちょっと言及しますと、講座開催側に一から十までを丸投げする人の多さよ、とちょっと悪態をつきたくなるくらい、托卵するき満々のマネージャが多いのは、普段から自分のところに沛属される新人の育成の枠組みについて考えることをしていないからなんだろうなぁ、と。


こういったマネージャクラスにマーケットリサーチと称して雑談しに行って研修に対する要望を尋ねると、パッと具体的な要望を出してくれる人は少ないです。というかほとんどいない。半分くらいは「うーん」と天井を仰ぐか目を泳がせる。仕方がなく「他のマネージャの要望とかでは…」と促してあげないとでてこない。これは、普段からシステムエンジニアの育成は何も考えていないな、という印象を持たざる得ないんですが。


日本語が書けない、電話に出ない、報告ができない…。


そういったマネージャがいう要望は、大概が新人への「不満」なんですよね。て言うかさぁ「新人に何を夢見ているんだい」と問い詰めたい。第一「キミの中堅の部下はどのくらいその新人に向いている不満がないようにできているんだい」とも訊きたい。あまりにもアホらしい。


前にもプロジェクトに新人を混ぜた場合のチームの運営のことを書いたけれど、経験者は「無意識に自分と同じレベルで他人ができることを要求する」んだ。これをわかっていないマネージャが多すぎる。


それより研修に送り出すマネージャは、「自分の代わりを作るために研修を受けさせている」ということを自覚を持って欲しいんだよ。ほんとこれ。そう思ったら、育成は自分でやるだろうし、他者が主催する研修なんて代替とか補完として位置づけるだろうと。