忙しいエンジニアは筋の悪いサラ金に手を出して雪だるま式に時間をすり減らしているだけ
40代、50代のエンジニアが部下のマネージャに悩みがあるとするなら、それは40−50代のエンジニアが今持っているスキルだけで今の仕事をやろうとしていることではないかなぁ、と思うのです。
「別にいいのでは、今持っているスキルで仕事ができることは、その仕事に必要であるチームのスキルを充足しているのだから」と思う人がいるかもしれないです。
確かに、その考えはプロジェクトを始める際のある意味事前条件なのでそれはそれで正しいです。ただ、やってみると技術的に必要な知識を持っているし、それなりの基礎スキルも持っていればやり切ってくれるでしょう。
忙しいと気付けるか
今持っているスキルでやり切れればそれはそれでいいのだけれど、過去に身につけたスキルがジャストフィットするかといえばそんなことはほどんどなく、スイートスポットを外しながらもなんとか仕事をやっているのが現実なのです。
そうした状況を客観的に識別には労働時間が一つの見極める指標です。作業の見積もりが定時内で終わるなら、それをオーバーランしている実態があるなら何かしら見積もりを超える要素があるということです。
労働時間が長いからといって全ての原因がエンジニアにある訳ではないですが、他責だったとしてもそれに巻き込まれてしまっているなら、それはそれでなんとか現状を改善しなければその問題が解決するまで振り回されるだけです。
忙しい状況にあるのだと気づくことが楽をするための第一歩です。
忙しいことは悪である
忙しいとミスを起こしやすいです。人はいくつものことを同時で考えて処理はできないということを改めて認識した方が良いです。同時並行でテキパキと捌いているように見えても、よくよく見れば、タイムスライスして高速処理しているだけの話で、TSSのようなものでしかありません。
事象として残業をしている場合、どこが原因で残業をしているのか本因に辿り着かなければ単なるモグラ叩きで終わってしまうことを覚悟しなければなりませんが、まずモグラ叩きをしている人はそれに気づかないのでずっとモグラ叩きをしているんですよね。
残念なことですが。
まずは、忙しい状況で仕事している状況を気づき、放置することは悪であることを知らなければ始まりません。
ですので、まずは「今忙しいんだ」と認識することが大事なのです。
忙しい、はどこにあるか
では、忙しいが悪であるなら忙しいは自分の仕事のどこにあるかをどうやて調べましょうか。
- 前段取り
- 作業
- 後段取り
一つの切り口は、何かしらの作業の着手が遅いケースです。忙しいと締め切りで動く締め切り駆動型で仕事をやっつけでやり始め、それがいつの間にか普段の仕事の仕方になってしまうパターンです。
やっつけでやっているのでリファクタリングという考えをしませんし、そんな時間の余裕はないから締め切り駆動型になっているのですけれど。
少なくともやっつけでやるなら、後工程か作業を手放す前にリファクタリングを差し込まないと、次の作業を始めてから先に手放したはずだった作業の手戻りが割り込んでくるので悪循環から逃れられません。一度筋の悪いサラ金に手を出して雪だるま式に利息が増えていくようなものです。
- 手法が合っていない
持っているスキルが今やっている仕事にフィットしているかどうか、その評価をし続けなければなりません。少なくとも見積もっていた作業工数より時間が掛かっている場合は、使っている道具が間違っていることを疑わなければなりません。
チェーンソーを使わなければならないのに、糸鋸で切ろうとしてもそりゃ無理筋だって気づきそうですが忙しいとそう思わないところが忙しくなると感覚が鈍ってきて危ないところなのです。
エンジニアは技術を使って仕事をしているのですから、使っている道具が合っているか、手入れを十分できているかのチェックは運行前点検のようものですし、監視通知のモニタリングの機能でもあるのですが。
- 感情が強すぎる
最後に作業をしているエンジニアの仕事に対する感情が強すぎると大体ろくなことにはなりません。
思い入れが強すぎれば私が作るのだからと要求されていないほどの無駄な作り込みをしようとしますし、私の作品にしてしまうと指摘されるとムキになって反論をし始めますし。
- 自分はこれだけ頑張っているのに
おまけで、自分がこれだけ忙しく頑張っているのにという感情も忙しいから抜け出せない感情です。別に誰もそんなに頑張ってとは言っていないのですけれど、当の本人は私が良かれと思って巻き取った仕事を誰も評価してくれないとか、指摘されてなんでこんな目に合わないといけないのかとか、いう事態になっていたら、それは勝手にサクリファイスして被害者意識を持って自己陶酔しているだけなんです。
まあ、これも本人が気づくことはないのですが。
まあ、忙しいと言っている人にろくなアウトプットは出てきた試しがありませんけど。