メンタルダウンの部下を持ったら
なんとなくタブーな気がしないこともないけれど。でも現場にはメンタルダウンしてから復帰しようとしているエンジニアもいれば、まさにメンタルをダウン仕掛けているエンジニアもいると思うのです。でも現場のエンジニアもマネージャもメンタルダウンの専門知識はないからどうしていいのかわからない、とも思うのです。
突然複数のメンタルダウンの部下が
ある組織のマネージャになったんですね。そこそこの規模の組織だったのですが、着任後、人事関連の方から呼び出しがありまして。
「あの方とその方とあと…はメンタルダウンなんですよ。それで…」
まあ、そうなんだ、としか言いようがないですよね。病気ですから病気と付き合って仕事をしてもらうんだな、他の疾病もそうだし、みたいな感じしかリアクションは取れないんですよ。
マネージャは病気の専門家ではない
人事関連の方の説明を聞いて自分に言い含めたのは、自分は専門家ではないということでしょうか。
素人考えで病気の部下に対して業務以外のことをあれこれ指示なんてできません。ただ、できることは予備知識として人事関連の方から教えてもらうことや書籍から知識として知っておくことは出来ますね。そのくらいの情報は持っていないといざというときに間違ったアクションを取ってしまうかもしれませんから。
リソースとしてカウントしない
マネージャとしては辛いところですが、リソースとしてカウントしない方が良いでしょう。あくまでもリソースとしては。組織の一員ですから病状が良くなれば、産業医と復帰プログラムを開始することになります。立場的には現場に復帰して貢献してもらえると嬉しいです。ただそれだけ。
焦らせない
他の長期疾病も同じですが勤務実績がなければ給与は出ません。勤務期間に応じて保険などから7割給付されるのですが、とにかく収入がないので本人は焦ります。
自分で負荷を掛けてしまうのです。
前のめりにさせない
長期療養していると、他のメンバに申し訳ない、迷惑をかけていると思いがちです。だから早く復帰して仕事で貢献したいと思っていることが多いです。
これもまた自分に負荷を掛けてしまいます。
納期のないチームのタスクなどプレッシャの少ないタスクから徐々に。
距離感
メンタルダウンしているから特別に扱うことはなかったです。基本は他のメンバと同じ距離感の関係性を保つ方が良いでしょう。あまり深い意味はなく普段から希薄なので。
これはメンタルダウンだからということに限らないですが、個人の日常にどこまで踏み込むか、という関係性の考え方に依存するところだと思います。
自分から相手の領域に入るならある程度の覚悟が必要だと思います。関わるなら後始末を考えてからでも遅くはありません。
メンタルダウンは多い
仕事に対するプレッシャが高まり続けるとメンタルダウンで療養するメンバがじわじわと増えていきます。これは気づくと周りのかなりの数のメンバが程度の違いはあっても経験者だったり、療養中だったりしているということです。
幸いにも復帰できればいいのですが、メンタルは再発しやすいようです(人事関係談)。
メンバとしてなら普段どおりに接する他なく、マネージャなら急がさせず一つひとつステップを踏ませて現場復帰出来るようにアサイメントをする以外は出来ることが限られると思います。
くれぐれもメンタルダウンの専門家でないことを忘れないように。
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