エンジニアの退職が続くマネージャは、ぼーっと生きている
以前の担当のチームでは、約10年くらいマネージャをしていた。そのチームで退職したいと言って来たエンジニアは皆無だったが、自分が別のチームに移って1年経ったくらいに数名が『退職します』とわざわざ自分のところまで挨拶に来たことがあった。
そう言えば、自分がそのチームのマネージャになる前も何人か退職していた様だった。
退職はエンジニア個人の理由(そうそう、会社都合での退職はないの)で職を辞することを決める。辞めると話に来てくれたエンジニア達とは日を改めて会う機会を作り、卒業をお祝いする。
卒業を『祝う』という感覚に違和感を覚えるだろうか。
自分としては、元の部下であるメンバが組織の中での異動や組織の外へ転職をしたとき、新しい場所で活躍していると聞くことがマネージャとしての醍醐味の1つだと思っている。
そう思っているので、(自分のときにはいなかったが)転職した元メンバが新しい職場に慣れ、笑顔で話をしてくれる光景を見ると『よかった』と思う。
食事をしながら何が転職のきっかけだったかを聞いてみると、割と些細なことの積み重ねであることが多い。プロジェクトへのアサイメント、日々の業務の障害を取り除くフォロー、成長への動機付け、個々のメンバのスキルに対する絶対評価、など、その理由に違いはあるが、一人ひとりのある閾値を超えた途端、組織へのロイヤリティが消失するのだという。
マネージャが目の前の数字を達成するために、育成計画やプロジェクトに必要なスキルの前提条件を棚上げし、リソースの隙間があればエンジニアを入れてしまうことは、ビジネスを担う役割としては当然だろう。それはそれとして、アサイメントした後何をしているかということである。
プロジェクトの特性を無視したアサイメントでは適切なアサイメントよりリスクはべら棒に高まるし、そのリスク対策は無理繰りなことをやっているのだからなされない。適切なアサイメントでリスクマネジメントを行うことはないので、結果的に危険度は高く、考える時間もないから事後対処になり高くつく。
そんなビジネスをやっていると突然、メンバは辞めると言い出す。
このとき、すでに本人は辞めることを決めている。さらに、元々できるメンバであるから次はすぐに見つかるし、やりたい職種を見つけ、オファーレターまで手に入れている。あとは有休を適当に消化して、リフレッシュして次で活躍するのである。
メンバが次々と辞めていくマネージャには、なぜ辞めるのか、その理由を理解する日が来ることはないだろう。
マネージャは、ビジネスをキャリーするために、メンバに成果を出し続けてもらわなければならない。そのために、
- 管理から裁量を移譲する
- 成長を促す仕事にアサイメントする
- メンバの進捗上の障害を取り除く
- マネージャが率先してビジネスを変えていく
ことが必要なのではないかと思う。
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