マネージャに何を求めるかでマネージャ像は変わるーサイボウズのマネジャー論が画期的ー

TLを眺めていたら、画期的というキーワードに惹かれてハッシュタグのまとめを読んでみる。

サイボウズで次に制作予定の『新しいマネージャーの教科書』本に関するnotetとあるので、どうやら企画イベントなのか。

それはさておき、

 

togetter.com

 

の、冒頭のツイートで画期的というキーワードを使っている。

 

 

1番目は同意。日頃書いているブログのエントリのあちらこちらに書いてあることと同じ思想だ。

2番目もそう。弱みを見せよう、というよりは、エンジニアに得手不得手があるようにマネージャにだって得手不得手があるということ。それを隠すと不得手も頑張らなければならなくなる。その不得手を得意なメンバに任せて、マネージャが得意なところをやればいい。その目的を共有してから得手不得手を見せ合うのは意味がある。

3番目はどうか。指示しなければならない時もあるし、育てなければならないときもある。ただ、どちらもマネージャからアプローチするときは、期待するような結果は得られないことが多い。期待するレベルにするには結局のところ、手とり足とりとなってしまうものだ。

4番目のメンバのことを把握さえしてればいい、とある。これも同意。

 

さて、この4つの項目に優先順位をつけてみてほしい。

 

[ ]番目 マネージャは役割である
[ ]番目 マネージャは偉くないし、立派じゃない
[ ]番目 マネージャは指示したり育てられない
[ ]番目 マネージャはメンバを把握している

 

 改めて4項目を眺めると、1番目はマネージャの機能について述べている。2番目はマネージャの人物像について述べている。3番目はマネージャのスキルについて述べている。4番目はマネージャの仕事について述べている。

この4つの項目に順位をつけるということは、マネージャに対する何を期待しているかという、順位づけした人の欲求を示していることになる。

自分としては、4→3→2→1に順番をつける。どうしてそう考えるのかというと、その答えは1番目に書いてある。

ところで、最後の『究極的には雑談さえしていればいい』とあるが、これを勘違いして文面の通りにやってはいけない。

これは、4番目を実現する手段であり、単なるツールなのである。昭和のおじさん達のタバコ部屋と同じなのだ。自分はタバコ部屋には入らないが。

この4つの項目以外にいくつか抜けていると思うのだが、

 

 

の3点は仕事を楽しく前に進める上で必要なことだと思う。さらに、

 

 

ご本人自身で『諦める』を座右の銘と言われているが、必要なタイミングで線引きできる能力も必要である。まあ、線引きしたその後が大変なので線引きできないマネージャが多いのもまた事実なのだが。

ちょっと脱線するが、

 成果とプロセスの問題は、こう捉えればいい。成果は業績評価にリンクさせる。プロセスは、スキル、コンピテンシの育成で評価する。これがベスト。

スレッドを読み進めると『共通言語』と出てくる。これはちょっと手に余るだろう。なぜなら、誰と誰の間の共通言語か、とその言葉の定義をしないと進まないからだ。それでも共通言語を作りたければやればいいと思う。最終的に、共通項だけになりITSSのエンジニアのコンピテンシのような文章になってしまうだろう。それを作ることはその言葉を定義する組織にとっては意味を持つ。ただ、組織外の人にとっては、役に立たない。

 

共通言語でバラバラだったチームをまとめようとしたら…とある。これも、バラバラのチームをまとめる必要があるかどうかという観点で考えると別のアプローチにたどり着けると思う。チームは機能すれば良いのであって、まとめる必要はないことを頭の隅に置いておこう。だって、マネージャも役割(=機能)なのだから。チームは人の周吾隊としての人と見做すと捉えると良い。

 インセンティブを聞くのは組織にインセンティブを支払える制度があるからできることである。それはそれで他所のお家の話であるが、素晴らしいと思う。ここの本質は、実現したいという部下の進捗を妨げる障害を一緒に考えるマネージャであるということである。これも過去のエントリで述べていることだ。

キリがないので最後に『説明責任』『質問責任』とある。責任をresponsibilityと捉えるなら同意する。説明は、(誰にかはさておき)何かを他人に働きかけるのであるから、その働きかけに期待する結果を得たければ説明を省くことは期待する結果が得られなくても文句をいう筋合いではなくなる。結局、どうしてそれをやりたいのか背景を話すことになるのだ。

長い。

マネージャを学びたければ、OVERLOADを読むと良いんじゃないか。

 

 

オーバーロード1 不死者の王

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