捨てられるエンジニア
ある教育コンサルタントと会話しているときに、昨今の終身雇用に対する経営者のギブアップの先の話になった。
人月商売のSIerの経営者は、採用難でビジネスの頭打ちに危機感を覚えているのだという。
『何を言っているのだ』とつい言ってしまった。元々のビジネスが人売りなのだから、売るエンジニアが売り切れてしまったら、それ以上のビジネスなんてないことは誰にだってわかる話である。
その流れで、コンサルタントから『エンジニアは人材供給不足なのは本当か』という質問を受けた。少なくとも自分の担当範囲では欲しい人材は足りない。
ただ、自分がエンジニアになった何十年も前から人材供給不足は言われ続けていることである。
不足しているのはその時代で売りたい技術を担うエンジニアであって、売りたい技術がビジネス的にバズらなければそのマーケットは消えてしまうだけである。
前述の人月商売のSIerの経営者は、抱えているエンジニアの技術が古くて従事していたプロジェクトや維持管理が終わって戻ってきたとき、売り先がないとぼやくのだと言う。
こうして、エンジニアは捨てられていくのである。
こうしてとはどう言うことか。
所属するSIerの中で、技術を、キャリアを会社任せにしているエンジニアは、その技術でエンジニアを売れなくなった(=価値がなくなった)とき、SIerの不良在庫になるのである。
今は、間接部門にそうした強風が強く打ち付けられ始めている。NやFの48歳云々がそれだ。
キャリアを会社任せにしているエンジニアはお荷物になり、捨てられる。